いつだったかネットのニュースで家庭の食卓の変遷に関するルポが挙がっていました。
お母さんの手料理をみんなで食べるのが当たり前だった食習慣が外食や中食中心に変わったのは政府の政策にも一因があったそう。
消費生活を推進するために家庭科の授業の枠を減らし「料理は作って食べるものから買ってきて(あるいは外で)食べるもの」という意識改革を行ったとありました。
ま、その意図がどの程度効力を発揮したかは不明ですが、結果は絶大でしたね。
いまや、夕餉時に家族全員が食卓についてお母さんが作った料理をいただく風景は絶滅危惧です。
そのニュースのコメントにも例によって揚げ足をとるようなものが多数あったのですが、失笑したのは「和食は高く付くんだよ。給料安いのにやってられるか」と言ったものでした。
ご冗談をと言いたくなります。
昭和のお母さんたちはその和食中心の手料理でつましい家計の中から家族の胃を満たしてきたんですよ。
高価な訳がないじゃないですか。
たぶん、コメントされた方はこじゃれた和風レストランか何かを想像されたんでしょうけど、そんな店で出される料理が毎晩の食卓にのぼるはずがないじゃないですか。
ありあわせの安い材料を手間ひまかけて美味しい料理に仕上げるのが家庭料理の真骨頂です。
それこそ、この料理くらいが出てきたら「お、今夜はご馳走だな」と家族が歓声を上げたと思うのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- 鶏もも肉(胸肉でも可):70~100g
- 里芋:2個
- ししとう:数本
[調味料パートA]
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 味醂:6g(小匙1)
- 砂糖(できれば黒糖):4g
[調味料パートB]
- 酒:25g(25cc)
- 水:25g(25cc)
【作り方】
- 里芋は皮を剥き一口大に切って10分下茹でします。それをやっている間に鶏肉は食べ易い大きさに切り、ししとうはヘタを落としておきます。
- 小鍋に里芋、鶏肉と[調味料パートA]を合わせて中火にかけ2分炒りつけます。
- この工程では水を加えないこと、多少焦げが出ても味のうちです。
- 2.に[調味料パートB]とししとうを加えて落し蓋をし、弱火で5分ほど煮ます。煮汁が少なくなって来たら落し蓋を外して中火にし、煮ころがしながら水気がほとんどなくなるまで炒りつければできあがり。
【一口メモ】
- ほっこりとした味わいで、「あ、昭和の夕ご飯だ」って気分が楽しめます。里芋のねっとりとした粘りと鶏肉ってよく合うんですよ。
- 里芋がなければじゃがいもでも作れます。手料理の真髄はありあわせの材料を活用すること。わざわざ、買い物に行く必要はありません。
- 調味料の分量は僕の好みで合わせた一例です。手料理の良いところは調味料の分量を自由に変えられるところですのでお好みであるいは持病と相談しながら(?)加減して下さい。