山椒は小粒でもぴりりと辛いなんてことわざがあります。
体は小さくても才能や技能に優れていて侮れない人を指す言葉ですね。
料理の中でも小ぶりだと侮っているとひどい目に遭うものがあります。
たとえば小鉢料理。
中に入っているのはこれまたちんまりとした白くてくねくねした何か。
それを食べたことのない外国人が口いっぱいに頬張ったら……むせて、涙を流して、悶絶して、えらいことになっちゃいます。
料理の名前は「タコワサ」。
食べたことのある方は、名前を聞いた途端に「ああ、なるほど」とその状況に納得されるんじゃないでしょうか^^
わさびが強烈に利いているあれを頬張るというのは無謀にも程がありますよね。
近頃ちょっと凝っているのは食感の似たもの同士の食材を入れ替えたアレンジ。
例えば、こんにゃくをお肉に見立てて青椒肉絲風にしたり、じゃがいもを豚肉に見立てて酢豚を作ったりしてみましたが違和感ありませんでした。
同じ発想で炒めた鶏の砂肝のコリコリ感ってタコにちょっと似ているよなと気づいたのです。
しかも砂肝のお値段はタコの1/4くらいと格安。
ならタコを使うのが定番な料理を砂肝でやってみたらどうなるだろう?そんな発想からこの料理は生まれました。
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- 砂肝:100g
- オリーブオイル:12g(大匙1)
- 生姜:ひとかけ分
- にんにく:ひとかけ分
[調味料パート]
- 練りわさび:小匙2
- 昆布茶またはかつおだしの素:小匙1/2
- 鷹の爪(小口切り):半本
- 味醂:6g(小匙1)
- 塩:2g(小匙1/3)
【作り方】
- 砂肝は3mm厚に薄くスライスします。生姜、にんにくはみじん切りにします。
- フライパンにオリーブオイル、生姜、にんにくを入れて中火にかけます。香りが立ってきたら砂肝を加えて2分ほど軽く焼き色が付くまで炒めます。
- 2.を油ごと小鉢に移して粗熱を取ります。これに[調味料パート]を加えてよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- 鷹の爪のピリ辛につんと鼻をつくわさびの辛味が楽しい一品です。おかずにしても良いのですが、やはりどちらかといえば酒肴かな。
- ネーミングにちょっと悩みましたが砂肝は砂ずりとも呼ばれ焼き鳥屋の符丁では「ずり」と言われますのでこの名前にしました。
- ポイントは砂肝を冷ましてから[調味料パート]を加えること。わさびは熱を加えると香りが飛ぶので熱いうちに和えるのは避けましょう。
- 砂肝とタコとはなんか食感が似ているなと思ったのがこの料理を考案するきっかけでした。反面、タコと違って砂肝はクセの強い香りを持っていますので生姜、にんにくを合わせて臭みを抑えています。
- 炒め油に何を使うかで風味がかなり変わってきます。このレシピではすっきりした仕上がりを狙ってオリーブオイルを使いましたがごま油を使うと個性的な風味の一品に仕上がってそれはそれで楽しいですよ。