長女が生まれて少し大きめのマンションに越してからしばらく経った頃、駅のそばに行きつけの焼き鳥屋ができました。
ご主人が僕と1歳違いで互いに岡山の大学出身ということもあり意気投合。
とても居心地の良いアフタースクールを見つけた気分でした。
ある時その店で付け出しに珍しいものが出ました。
燻製
「これ、どうしたの?」と僕が訪ねるとご主人は「燻製鍋」を買ったのだと言う。
「なになにそれ」と訊ねて見せてもらったのが僕と燻製鍋の出会いでした。
燻製鍋は土鍋風の外観をしていますが鍋と蓋がほぼ同サイズ。
で、鍋の上面に網を置く構造になっています。
網の下にチップを置き、網の上に燻製にしたい食品を置いて蓋をする。
これをコンロに置いて火にかければ燻製ができるという調理器具です。
「適当なサイズの網と蓋を調達すれば中華鍋でも作れますよ」
とのこと。なるほど。
僕のイメージでは燻製を作るには庭などの開放的なスペースでそれなりに大掛かりな機材が必要と思っていたので目からウロコでした。
程なくして僕も燻製鍋を購入し、つかの間の燻製ライフを楽しんだのですが……。
横浜に転勤。
単身赴任生活の開始。
独り身の仮住まいなので住む家もグレードを下げたこともあり、さすがに燻製はご法度。
異臭騒ぎを起こしてご近所の顰蹙を買うのはまずい。
こうして約8年間。
燻製鍋は長らく段ボール箱の中に鎮座したままとなっていました。
2021年。
ようやく異動が叶って関西に復帰。
久しぶりに燻製鍋くんも復活です。
ということで引っ越しの片付けもそこそこに手始めに燻製卵、通称「くんたま」を作ってみることにしました。
【材料】(10個分)
-調理時間:55分-
- うずら卵:1パック(10個)
- 桜チップ:大匙4
[ソミュール液パート]
- 水:100g(カップ1/2)
- 塩:9g(大匙1/2)
- ブラックペッパー:少々
- 白ワイン:15g(大匙1)
【作り方】
- 小鍋に水(分量外)とうずら卵を入れて水から茹でます。水が沸騰したら弱火にして4分茹でます。これをざるに揚げて氷水に浸して急冷します。
- 1.の水を切ってうずら卵をタッパに入れ蓋をし、シャカシャカとシェイクします。蓋を取ってうずら卵の殻を剥きます。 ※タッパでシェイクすると殻同士がぶつかって細かく砕けるので簡単に殻をむくことができます。
- うずら卵と[ソミュール液パート]をビニール袋に合わせて15分漬け込みます。
- 燻製鍋の底にアルミホイルを敷き桜チップを重ならないように敷き詰めて網を載せます。網の上にうずら卵を置いて蓋をします。これをコンロに置いて中火で15分火にかけ(途中から煙が漏れ出てきますので換気扇全開)。火を止めて15分待てばできあがり。
【一口メモ】
- 良い感じの塩気に鼻をくすぐる燻製香がたまりません。おかずにしては心もとないけどおつまみにはちょうど良い感じ。小腹がすいた時の夜食としてもオススメですよ。
- スーパーやコンビニでも燻製卵は売られていますがけっこう良いお値段がします。これなら材料費は100円くらいで済むのでお財布に優しいですよ。
- もちろん鶏卵でも作れるのですがサイズが大きいので1、2個食べればお腹いっぱいになります。ちょこっとずつつまめるうずら卵の方が僕は好きかな。
- 燻製鍋に求められるのは気密性。蓋はかなり重くてぴっちりと封をして中で煙が対流するようにできています。なので中華鍋で代用するのであればぴっちりと封ができる蓋を探してみてください。ただ、頻繁に燻製を作るのならそれほど高いものではないので通販で燻製鍋を買っちゃったほうが良いかもしれません。