鉄道網の発達は意外な副産物を生み出すことがあります。
一地方でひっそりと愛されていた食べ物や料理が全国的に有名になること。
列車の旅の楽しみのひとつは車内販売。幕の内弁当も良いけれど、せっかくだから旅先の名物をお土産に買って帰りたいと思うのは人情。
それを見込んで新しい鉄道の沿線でこぞって名物の売り込みをかけるのも人情──というか商魂かな^^
新幹線が岡山から更に西に伸びて博多までつながった頃、博多名物のとある食べ物がその新幹線網を遡って上京しました。
その名は「辛子明太子」。
博多や門司で愛されていたその食べ物は車内販売で有名になり、ついには東京で売られるようになるのです。
って、全国区になって久しい明太子がそんなローカルな食べ物だったなんて今となってはそっちのほうが想像しづらいですが。
とまれ、辛子明太子はその本体にとどまらず「明太」味と呼ばれるたくさんの料理やスナック菓子などを生み出して今では一大文化へと発展を遂げましたね。
【材料】(2人分)
-調理時間:5分-
- 木綿豆腐:1丁
- 辛子明太子:1腹
- 三つ葉:2本
[餡パート]
- 鰹出汁:200g(カップ1)
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 酒:15g(大匙1)
- 水溶き片栗粉:6g(小匙1)分
【作り方】
- 木綿豆腐は1.5cm角に切ります。鍋に湯(分量外)を沸かし豆腐を投入して中火で2分茹でます。待っている間に明太子は細かく叩きます。三つ葉は葉を落として茎をみじん切りにします。 ※豆腐は茹でることで水切り同様に余分な水分を抜くことができます。
- 小鍋に[餡パート]の水溶き片栗粉以外を合わせてひと煮立ちさせ水溶き片栗粉を加えてとろみを付けます。火を止めて明太子を加えてよく混ぜます。
- 器に豆腐を盛り付け2.の餡をたっぷりかけて三つ葉をトッピングすればできあがり。
【一口メモ】
- ピリッと辛い餡がはんなりと淡白な豆腐とよく合います。普通のあんかけ湯豆腐とはまた違ったテイストが楽しい。
- 餡の作り方のポイントは火を止めてから明太子を加えること。半生くらいのほうが食感もざらつかずに美味しいです。
- 明太子に塩気があるので調味料は少なめにしてあります。その分、豆腐の旨味が際立つのでできればちょっと良い豆腐を使ってください。
- 三葉の代わりに細切りにした大葉を使っても美味しいですよ。
- 餡に粗挽きのブラックペッパーを入れるとまた違った風味が楽しめます。