スタジオジブリ作品の中でも「紅の豚」はファンタジー色が影を潜めてリアルな人生に寄せたストーリーのちょっと異色な作品でした。
ま、主人公の飛空艇乗りが豚になっている時点で十分ファンタジーではあるのですが。
僕はこの映画を映画館で鑑賞しましたが加藤登紀子さん演じるマダム・ジーナが歌う「さくらんぼの実る頃」に魅了されたな。
その物憂げな歌唱を聴きながら僕の脳内に浮かんだのは春の風に花びらを飛ばせながら咲く満開の桜……。
……、……。
ちょっと待てぃ。
「さくらんぼ実る頃」と言ってるだろうがやい。
当たり前ですけど桜の花が咲く頃とさくらんぼが実る頃は同じ季節ではありません。
品種によりますがさくらんぼが実るのは5月から7月。
どちらかというと初夏に近い季節です。
同じように「梅」と聞くと僕らは2~3月の花の季節をイメージしがちですが梅雨(つゆ)という言葉にも「梅」が出てきます。
これは梅の実が旬を迎える季節に降る雨ということでこの字が充てられたということらしい(元々、中国から伝わった時は黴(かび)が生えやすい季節ということで「黴雨(ばいう)」と書かれていたのですがあまりにじめじめした印象が嫌われて梅の字に転じたと言われています)。
ま、その梅の実を塩漬けにして熟成する梅干しにとっては季節感はあまり関係ないのかもしれませんが。
なんてことをお弁当のお菜にこれを作りながら考えておりました。
ところで「さくらんぼの実る頃」には別の邦題もあります。
「桜の花咲くとき」ですって。
おおい! これ以上季節感をややこしくしないでもらおうか(笑)
【材料】(1人分)
-調理時間:25分-
- ごぼう:半本
- 梅干し:1粒(小ぶりなら2粒)
- かつおだし:100g(カップ1/2)
[調味料パート]
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- 酒:10g(小匙2)
【作り方】
- ごぼうは4cmくらいに切って4つ割りにします。これを10分水(分量外)に晒してアクを抜きます。待っている間にかつおだしを挽き、梅干しを種から外して細かく叩いておきます。
- 1.の工程終了に合わせて小鍋にかつおだしを入れひと煮立ちさせておきます。これにごぼうを加えて中火で10分煮込みます。
- 2.に[調味料パート]と梅干を加えてアルミホイルで落し蓋をし、水気がほぼなくなるまで煮込めばできあがり。
【一口メモ】
- さっぱりした風味にごぼうのシャクシャクとした歯ごたえが小気味良くこってりしたおかずと合わせると格好の箸休めになります。お弁当のお菜に良し、おつまみにもおススメですよ。
- 手間はさほどかかりませんがヒマはちょっとかかるおかずです。最初に仕込んで他のお菜を作る片手間に仕上げましょう。
- 工程3.の仕上げに味醂9g(大匙1/2)を加えてさっと煎り付けると照りが付いて見栄えが良くなります。
- お好みで砂糖3g(小匙1)または蜂蜜7g(小匙1)を[調味料パート]
- に加えると甘めのおかずになります。子供たちにはこちらの方がウケが良いかも。