失敗から生まれた料理というのは枚挙にいとまがありません。
生地とりんごをひっくり返して焼いてしまったタルト・タタン。
パン用の小麦を放置していたらカピカピに乾燥しちゃったのですが焼いたら美味しいスナックになったコーンフレーク。
うっかり火にかけたのを忘れていて煮込みすぎたスープから生まれた豚骨スープ。
ドン・ペリニヨンという修道僧が泡の立たないワインを研究していたところ、思いっきり泡が立つワインができてしまったシャンパン。
そんな有名な話でなくてもどこの家庭でも一度や二度は失敗や思い違いから思いもよらない料理が食卓に上ったことがあるのではないでしょうか。
メカジキのコンフィで使ったソースが冷蔵庫に残っていたのでパスタソースに転用しようと思いパスタを茹でてました。
茹で上がり30秒前に大問題発生。
レンチンしたソースがガチガチに固まっていて使い物にならないではありませんか(;_;)
脳内の料理の引き出しを総動員して善後策を検討。
10秒後に出した結論がこの料理です。
アドリブというのは決して即興ではなく、経験からくる対処なんだなぁとつくづく思いました。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- スパゲティ:100~120g
- 鶏胸肉:50g
- 塩、ブラックペッパー:少々
- 強力粉(なければ薄力粉):適宜
- サラダ油:少々
- ピーマン:半個
[調味料パート]
- 柚子胡椒:小匙1/2
- ポン酢:18g(大匙1)
- ホワイトペッパー:少々
【作り方】
- お湯を沸かして、スパゲティをパッケージに書かれた時間-1分茹でます。
- 1.をやっている間にピーマンを細切りにします。鶏胸肉を5mmの薄切りにし、塩、ブラックペッパーをまぶします。更に強力粉をまぶします。
- フライパンにサラダ油を入れて2.を並べて焼きます。両面きつね色になるまで焼いたら、ピーマンを加えて蓋をして火を止め、余熱で蒸し焼きにします。
- [調味料パート]のポン酢と柚子胡椒を合わせてよく混ぜておきます。
- 1.のスパゲティをザルに揚げてよく切り、皿に移します。これに調味料パートを加えてトングでよく和えます。3.をトッピングしたらできあがり。
【一口メモ】
- 柚子胡椒にポン酢とダブル柑橘系の香りが刺激的。味も酸味と塩味が利いた醤油味で和風テイストが楽しい一皿です。
- この料理の段取りポイントはパスタを茹でる工程。「お湯を沸かす」+「パスタを茹でる」でだいたい10分かかるのですが、その裏で残りの作業をやってしまえばその10分で完成します。
- 肉や魚をローストする場合は強力粉をまぶすのがオススメ。焼き目のきつね色が綺麗に仕上がります。
- [調味料パート]を合わせて混ぜておくのが面倒ならそのまま別々にフライパンに投入するのもありですよ。パスタと和える作業をしっかり目にやれば同じことですので。
- この[調味料パート]は応用範囲の広い和風パスタソースになります。いろいろ具材を変えて楽しんでみて下さい。
- アレンジのヒントとしては鷹の爪を加える、みじん切りにした生姜を加えるなんてのも楽しいです。