大根引き大根で道を教えけり小林一茶の句です。
なんともユーモラスな情景が目に浮かびますね。
江戸時代から大根は身近な根菜だったんだなぁ。
日常的に使う成句のなかにも「大根役者」だの「大根バッター」なんて言葉があります。
これは煮ても焼いても消化に良くてぜったい「当たらない(食あたりしない)」ところから転じたありがたくもない言葉なのですが。
スーパーなどではよく見切り品で「す」が入りかけた(水分が抜けてふにゃっとなりかけた)大根を見かけますが僕は好んでこれを買って帰ったりします。
めっちゃ安くてお得♪で、実は「す」の入った大根を復活させる必殺技がありまして1.5リットルのペットボトルの上部をカッターで切って大根をこの中に入れます。
で、水をひたひたに注いで冷蔵庫の野菜室に立てておくのです。
するとあら不思議。
一晩経てば道を指せるくらいにカッチカチの抜きたてほやほやっぽい大根に戻っているんですね。
そう、大根や人参、ネギなどは土から抜いても生きているのです。
だから冷水(できれば氷水)に浸けておくと元気になるのです。
あ、間違っても常温の水でやっちゃだめですよ。
腐っちゃいます。
こうして1本4、50円で買ってきた大根は抜きたてほやほやの姿に戻って今夜も我が家の食卓を賑わしてくれるのでした。
【材料】(2人分)
-調理時間:17分-
- 大根:4cm
- 生姜:スライス3枚
- ごま油:4g(小匙1)
- かつお出汁:100g(カップ1/2)
- 蕎麦の本返しまたはめんつゆ:大匙1.5
【作り方】
- 大根を下茹でする湯(分量外)を沸かします。大根はかつら剥きにして1cm厚の半月切りにします。湯が沸いたら大根を投入して中火で5分下茹でしてざるに揚げ水を切ります。
- 1.をやっている間に生姜は千切りにします。小鍋にごま油と生姜を入れて中火にかけます。香りが立ってきたらかつお出汁と蕎麦の本返しを加えてひと煮立ちさせ、火を止めておきます。
- 1.の大根を2.の小鍋に入れて中火で10分煮ればできあがり。
【一口メモ】
- 素朴だけど飽きの来ない味です。大根は消化に良いのでこってりした主菜に合わせたり胃がちょっと疲れている時は特におススメですよ。
- お好みで仕上げに鰹節をひとつまみ加えると旨味が増します。刻み葱や炒り胡麻を加えると風味が良くなります。
- かつら剥きにした大根は千切りにして人参の千切りと合わせ、きんぴらごぼうの要領で調理すればもう1品作れます。コツは大根の皮をちょっと厚めに剥くこと。お試しあれ。