いつも行く商店街にはちょっとエスニック風だったりアジアンテイストな食材を扱う専門店がちらほらあるのですが最近お気に入りの1軒は各種キムチを主力商品とした韓国食材のお店です。
スーパーなんかだとキムチと言っても白菜キムチが数種類あれば良いところなのですがこのお店では白菜に限らずなんでもかんでもキムチにしちゃっている感じ。
曰く、白菜、大根、きゅうり、たらこ、牡蠣、山芋、小松菜、トマト、セロリ、イカ、タコ、れんこん などなど生食できるものならなんでもキムチにしてしまえという貪欲な好奇心を感じます。
そういえば30年ほど前、名古屋に出張したときに駅のそばにきしめんのお店があったのですがそこのメニューにも同じ貪欲さを感じました。
トッピングに北は北海道から南は九州、沖縄までの特産品を選べるのがウリで、詳しいことは忘れましたがじゃがバターとか明太子とかが選べる感じでした。
メニューの数はそれだけで20種類くらいあったんじゃないかな。
「食べ物で遊んじゃいけません」
なんて堅いことを言う人もいるかもしれないけれど僕はこういう遊び心は好きだな。
常備菜の定番、佃煮にもこれと同じ遊び心が潜んでいます。
試しにデパ地下などの専門店を覗いてみて下さい。
定番の昆布やあさり以外にもごぼう、海老、穴子、しらす、はぜ、海苔、稚鮎などなど中にはそのまま食べた方が美味しいのでは? とツッコみたくなるような高級食材まで佃煮化(?)されていたりします。
専門店ではそれぞれの食材の持ち味を活かした創意工夫がなされているのでしょうけれど、堅いことを言わずにそれっぽい味で良ければ実は家庭でもわりと簡単に佃煮は楽しむことができます。
たとえば、今が旬のホタルイカを使ってこんな一品などいかがでしょう。
【材料】(3~4人分)
-調理時間:15分-
- ボイルホタルイカ:100g
- 生姜:スライス2枚
- 酒:25g(25ml)
- 粉山椒:適宜
[下ごしらえパート]
- 酒:30g(大匙2)
[調味料パート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 味醂:27g(大匙1.5)
- 砂糖:9g(大匙1)
【作り方】
- を入れて強火にかけます。ふつふつと煮立ってきたらホタルイカを加えて水気が半分以下になるまで炒り付けます。これをザルに揚げて流水で洗います。並行して生姜は千切りにします。 ※酒で炒りつけることで臭み抜きができます。
- 小鍋に酒とホタルイカを入れて中火にかけ1分ほどさっと炒めてホタルイカと汁に分けます。
- 2.の小鍋に[調味料パート]と2.の汁、生姜を入れてひと煮立ちさせます。火を弱めて量が半分くらいになるまで煮詰めホタルイカを戻します。
- 粉山椒を多めに振って煮汁を絡めながら水気がなくなるまで炒めればできあがり。
【一口メモ】
- 正直、「もうこれで良いじゃん」と言いたくなるくらい普通に美味しい佃煮になります。しかも値段は圧倒的にリーズナブル。ディスるわけではないけどデパ地下で売っている佃煮は高級品だけあって高いのだ。
- 工程1.はこのレシピの要。一番大事な作業です。ホタルイカの目や嘴は口に障るので面倒でも外しましょう。そして酒で煎ることで生臭さがかなり軽減されます。
- 手持ちがあれば工程4.で粉山椒の代わりに実山椒を数粒加えて炒りつけるとより本格的な風味が出せます。舌先をピリピリと刺すような刺激が心地良いですよ。
- 同じ要領で帆立や海老も佃煮にできますのでぜひいろいろやってみて下さい。