「旅館の朝食のような朝ごはんを、彼が望んでいると結婚して初めて知って、がく然としました」なんてネット記事を見かけました。
わりととんでもないクオリティの料理を奥さんに求める男性が世の中には一定数いるみたいですね。
中には・朝食は和食が良い。
おかずは3品。
前日の残りは嫌。
常備菜も嫌。
インスタント味噌汁とかも嫌。
だったらお前が早起きして作れよ──って男の僕でも言いたくなります。
で、奥さんが「無理っ」って言ったら。
「結婚した意味がない」なんて駄々をこねたりして。
ま、関西のご家庭なら後頭部にハリセンチョップが飛ぶのは必至でしょう。
それだけでなく偏食が過ぎるご主人もいるみたいでおかずに肉料理がないと手も付けないなんて話も聞いたことがあります。
きっと独身時代には昼はハンバーガーかラーメン。
夜は居酒屋で唐揚げにビールなんて生活を送ってきたんじゃね?
なんて意地の悪いことを考えてしまいます。
そもそも肉料理って変化を付けるのが難しいのです。
だって食材の種類は牛豚鶏くらい。
素材本来の味が限られていますからどう調理しても単調になっちゃう。
その点、野菜は多種多様な素材が市場にあふれているので素材を活かしたバリエーションが利かせやすいと思うのです。
もし、茄子を食べてもほうれん草を食べてもトマトを食べても似た味だと言い出すようならその人はお医者にかかった方が良い──なんて更に意地の悪いことを考えてしまいます。
で、この料理は「肉がなければごはんじゃない」なんて子供みたいなわがままを言う人にこそ食べてほしい1品。
簡単に見えて海の幸、山の幸が盛り沢山な小鉢なんですよ。
【材料】(1人分)
-調理時間:7分-
- 茄子:1本
- 揚げ油:48g(大匙4)
- 山芋:3cm
- 刻み海苔:適宜
- 黒ごま:少々
[調味料パート]
- 蕎麦の本返しまたはめんつゆ:大匙1.5
- かつおだしの素:小匙1/2
【作り方】
- 揚げ油をフライパンに張って170度くらいに温めます。待っている間に茄子はがくを取り横半分に切って更に櫛形に切ります。
- 揚げ油が温まったら茄子を加えて2分揚げ焼きにします。待っている間に[調味料パート]を合わせてよく混ぜておきます。山芋をすりおろします。
- 油を切った茄子を小鉢に盛り付け[調味料パート]とよく和えます。すりおろした山芋をたっぷりかけて黒ごまを散らし刻み海苔を添えればできあがり。
【一口メモ】
- 香ばしい揚げ茄子にかつお出汁の利いた麺つゆ。それを包むふわふわとろとろの山芋。黒ごま、焼海苔の香り──なんかもう他に何も要らないと思わせてくれる1品です。
- 食べ方は自由ですがいきなり箸を突っ込んでわしわし混ぜて食べるのが僕は好きかな。
- 材料表を見れば分かる通り使っている食材は茄子、山芋、海苔、ごまの4種類。それをかつお出汁の旨味が支えてくれるという構造です。下手な肉料理より凝っていて贅沢な品なんですよ。
- かつお出汁を昆布だしに変えても美味しいです。お好みで柚子胡椒を少々加えると風味が変わってまた楽しいですよ。