お好み焼きや焼きそばなど、いわゆる粉もの文化が流行しだしたのは第二次世界大戦後、1950年代頃からだと言われています。
戦前にも一銭洋食やもんじゃ焼きなど粉もの料理があるにはあったのですが、あくまでも子供が食べる駄菓子かお茶請けなどの間食という位置づけだったみたい。
なぜ戦前には本格的な粉ものが流行らなかったかというとやはり日本人の食事におけるご飯の存在が大きかったんじゃないかなと思われます。
一汁一菜なんて言葉がありますがこれはおかずと汁物を1品ずつ食べて食事を済ませるという意味ではありません。
言葉に現れないだけで『ご飯』と一緒におかず1品、汁物1品食べるという意味だと多くの日本人が知っています。
つまり、日本人にとっては(特に戦前の日本人にとっては)『ご飯』はわざわざ断らなくても食事に出てくるのが当たり前だったので一飯一汁一菜なんて言葉にならなかったのだと思います。
で、食事にご飯が出てくるとおかずがお好み焼きや焼きそばというのはどうにもバランスが悪い。
今では粉ものをおかずにするのは関西人だけなんて言われますが戦前は関西人にとってもさすがに馴染みにくかったんじゃないかな。
というのが戦前は粉ものが主食になりえなかった主因じゃないかと僕は考察しています。
それが食糧事情が悪くなって米が十分手に入らなくなって粉を水で溶いて焼く粉ものを代用食にしたところから粉もの文化の発展と浸透が始まったんじゃないでしょうか。
焼きそばは1950年代に誕生したと言われ味付けは当初は塩か醤油が主流でした。
それをハイカラなソースに替えたソース焼きそばが誕生。
大流行して焼きそばの味付けといえばソースというのが定番になっていきました。
今では塩焼きそばや醤油焼きそばは亜流になっていますが、さらなる亜流が焼きそばには存在します。
名古屋界隈でのみ食べられているという「味噌焼きそば」。
さすがというかなんというか、ここでも味噌を使う辺りが名古屋って感じですね。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- 焼きそば:1玉
- 豚こま:50g
- キャベツ:数枚
- 人参:スライス3枚くらい
- ごま油:12g(大匙1)
- 酒:15g(大匙1)
[調味料パート]
- 赤味噌:18g(大匙1)
- 味醂:18g(大匙1)
- 濃口醤油:6g(小匙1)
【作り方】
- 豚肉は食べやすい大きさに切ります。キャベツ、人参は千切りにします。
- フライパンか中華鍋にごま油を入れて中火にかけます。これに豚肉を入れて色が変わるまで炒めます。更にキャベツ、にんじんを加えてキャベツがしんなりするまで炒めます。
- 2.の具材類を脇に寄せて焼きそばを入れます。これに酒を振りかけて蓋をし、2分蒸し焼きにします。 ※具材類も蓋の下に入るようにしてください。
- 3.の蓋を取り、[調味料パート]を加えてコテかトングを使ってよく和えながら炒めます。水気がほぼなくなればできあがり。
【一口メモ】
- ソース焼きそばと違って甘みが殆どないのが特徴。濃厚な味噌の風味が鼻孔を直撃してくるのがちょっと刺激的です。
- 味噌はできれば渋みの強い八丁味噌などクセのあるものを使うのがオススメ。使う味噌によって味がガラリと変わるのが面白いですよ。
- 甘辛がお好きな方は[調味料パート]
- に砂糖を小匙1(3グラム)加えてください。
- 味噌焼きそばは名古屋発祥のご当地焼きそばだそうです。今ふと思ったのですが名古屋ならお好み焼きにだってソースじゃなくて味噌ダレをかけそうな気がしてきたな。