佃煮の起源は徳川家康が摂津国の佃村から腕のいい漁師を呼び寄せて隅田川の河口に住まわせたことに端を発します。
彼らが売れ残りの小魚や貝を自分たち用の保存食として醤油や塩で煮詰めて常備菜にしたのが始まりだというのが通説です。
ただ、17世紀の当時、醤油はたまり醤油が考案されて間がない頃、高級調味料でしたのでおそらくは今の佃煮とはずいぶん違って塩煮にしていたんじゃないかと思います。
佃煮発祥の異説は複数ありますがいずれも19世紀に誕生したというもの。
恐らく、異説というよりは醤油の大量生産を得て従来からあった佃煮が改良されたと考えるのが自然な気がします。
とまれ江戸で人気を博していた佃煮は参勤交代の効果で全国に伝搬していきます。
飢饉に備えて保存食がほしいのはどの藩でも同じですから重宝がられたみたいですね。
21世紀の今では手軽な常備菜として親しまれる一方、専門店では贈答用の高級品も売られていたりします。
食べたことはないけれど一箱1万円とかの佃煮って美味しいんだろうなぁ。
けどね、案外簡単に家でも作れたりする料理なんですよ。
【材料】(2~3人分)
-調理時間:10分-
- もやし:1袋
- 生姜:スライス3枚くらい
- ごま油:少々
- 砂糖:27g(大匙3)
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- いりごま:適宜
- (お好みで)山椒:少々
【作り方】
- 生姜は細切りにしておきます。
- フライパンにごま油を入れて中火にかけもやし、砂糖、生姜を投入して炒めます。大量の水が出てくるので半ば煮るようにしながら水気がほぼなくなるまで炒めていきます。
- 水気が少なくなると焦げ付きやすいので火加減に注意
- 2.に濃口醤油を加えて炒めます。水気が減って立つ気泡が大きくなってきたら徐々に火を弱めてほぼ水気がなくなったところで火を止めます。
- 3.にいりごまとお好みで山椒を加えてざっと混ぜ、予熱で水気を飛ばして飴状になればできあがり。
【一口メモ】
- うそみたいに美味しいです。クセのないもやしを土台に生姜や山椒の利いた甘辛い佃煮味が楽しめる一品ですね。
- 工程2と3は焦がしやすいので火加減注意。予熱で水気は飛ばせますので少し早めに火を止めるのがコツだと思います。
- もやしの原価はむちゃくちゃ安いので(近所の八百屋なら一袋17円)、常備菜としてお勧め。お弁当の箸休めにもなりますよ。
- 同じ要領で玉ねぎや人参など他の野菜でも作れますのでいろいろ試してみて下さい。