「今日のお昼は何にしよっかな」サラリーマンになりたての頃、お昼時が近づくたびにそう考えるのが僕のささやかな悩みでした。
首都圏に転勤してとあるきっかけからお弁当持参の生活に切り替えてからはその悩みは週末に移行しました。
むこう1週間分の献立を考えてそれに合わせて食材の買い出しに出かける──慣れないうちはちょっと面倒な習慣でしたがその分、お昼休みが近づくたびにやってきていた悩みからは開放されました。
今日のお昼はすでにカバンの中にありました。
テレワークが導入され「今日のお昼は何にしよっかな」という悩みは再び毎日のお昼時に舞い戻ってきました。
豚バラとエリンギがあったな。
炒め物……いや、パスタの具材でどう? となると系統は醤油を使った和風パスタかな……けど、なんか洋食が食べたい気分なんだよな。
それも王道のフレンチとかイタリアンじゃなくて……スペイン料理なんてどうよ。
その思考はさながらルーレットのよう。
気がつくと最初の思い付きからはとんでもなく遠い場所にランチメニューの献立が着地していることもしばしば。
結局、何を食べるかはお昼休みの間際になるまで当の本人にもわかりません。
お腹がくちくなってごちそうさまをする頃になってようやく「ああ、今日のランチは結局これになったなぁ」なんてひとりごちていたりするのです。
この料理を作った日も丁度そんな感じの思考をめぐらしておりましたっけ。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- スパゲティ:100~120g
- 豚バラスライス:50g
- エリンギ:1本
- にんにく:ひとかけ
- 鷹の爪:半本
- 塩、ブラックペッパー:少々
- オリーブオイル:20g(大匙1.5)
- 粗挽きブラックペッパー:少々
- ドライバジル:少々
[茹で汁パート]
- 水:600g(カップ3)
- 塩:7g
【作り方】
- [茹で汁パート]を鍋に入れて沸騰させスパゲティを規定時間-1分茹でます。
- 1.をやっている間に豚肉は食べ易い大きさに切ります。エリンギは5mm厚の半月切りにします。にんにくはスライスします。鷹の爪は小口切りにします。
- フライパンにオリーブオイル、にんにく、鷹の爪を入れて中火にかけます。香りが立ってきたらエリンギを加えて油を吸わせながら炒めます。油がほぼなくなったら豚肉を加えて色が変わるまで炒めます。
- 茹で上がり1分前になったら茹で汁をお玉一杯分3.のフライパンに加え強火にかけて水気を半分以下まで飛ばします。
- 茹で上がったスパゲティを加えて絡めながら中火で炒めればできあがり。皿に盛って粗挽きブラックペッパー、ドライバジルを振って戴きます。
【一口メモ】
- 濃厚な風味のソースが食欲をそそります。きのこの独特な香りも刺激的。
- このレシピの段取りポイントはスパティの茹で上がりまでに他の支度を全て済ませること。そうすれば10分ほどでいただきますができます。
- 豚バラは脂が多いので先にエリンギを炒めてオリーブオイルを吸わせてから加えてください。
- あり合わせで作ったので豚肉を使いましたがこの料理のモチーフはスペインのオイル料理「アヒージョ」。エビやタコなどを使うと更にぐっとそれらしく仕上がりますよ。