袋入りのインスタントラーメンが登場した当時は物珍しさもあって特別なごちそうと考えるご家庭がけっこうあったそうです。
1食分のラーメンをお母さんと小さな子供が分けっこして食べるなんてのも珍しくなかったとか。
けど年月が経つにつれ、珍しくもなんともない食べ物になってお値段が安いことから貧乏学生がすする食べ物みたいな貧相なイメージが定着しました。
このイメージを定着させる一翼を担ったのは松本零士の「男おいどん」(1971-1973)じゃないかなと僕は睨んでおります^^;
主人公の浪人生の好物がラーメンライスだったんですよね。
その後、80年代になると中華三昧(明星食品)に代表される高級袋入りラーメンが登場します。
余談ですが高級袋入りラーメンはけっこういろいろなメーカーが出していて「華味餐庁(カミサンチン)」(東洋水産)、「麺皇(メンファン)」(日清食品)、「楊夫人(マダムヤン)」(ハウス食品)、「桃李居(トウリキョ)」(サンヨー食品)なんてのがありました。
けど、高級袋入ラーメンにはひとつ欠点があって、何も具材を載せずにすする「素ラーメン」にすると麺とスープの味がなまじ高級っぽい分、余計に貧相に感じちゃうのです。
「もしかして着目するのは麺やスープの高級化ではなく、どうアレンジするか。あるいはどんなトッピングを使うかではないだろうか」と気づいた人がいたのでしょう。
袋入りラーメンをアレンジしたりトッピングに凝るという文化が密やかに生まれました。
そのアレンジの情報がインターネットの普及で爆発的に交換されるようになり、いまやネットの海にはラーメンアレンジのレシピが氾濫しまくっております。
料理の基盤はあの袋入ラーメン──スタートラインが等しく平等で、そこから如何に高みに到達できるかを競うのがラーメンアレンジの面白さ。
誰も見たことも聞いたこともない料理がまだまだ誕生しそうです。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- チキンラーメン:1袋
- ちくわ:1本
- 乾燥わかめ:ひとつまみ
- 刻みネギ:少々
- すりごま:大匙2
【作り方】
- チキンラーメンに使うお湯(分量外)を沸かします。その間にチキンラーメンを袋から丼に移し、乾燥わかめをトッピングしておきます。お湯を注いで蓋をし、規定時間待ちます。
- 1.を待っている間に竹輪を5mm厚の小口切りにします(みじん切りでも可)。時間が来たら蓋を取り、竹輪と刻みネギを散らしてすりごまをどばっとかければできあがり。
【一口メモ】
- 最近、気づいたのですがチキンラーメンのスープって苦味のある食材や香りに癖のある食材がよく合う気がします。なので、胡麻や納豆なんかはオススメのトッピングですよ。
- ポイントはすりごまをたっぷり使うこと。胡麻好きな方なら大匙3杯くらいいっちゃってください。お湯を沸かす時に練胡麻を加えてよく混ぜておくなんてのもあり。仕上げにごま油をひと垂らしなんてのも楽しいです。
- ひと手間かけて竹輪をオーブントースターで焼いておくと香ばしくて美味しいです。