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その他ご飯もの

牛肉ときのこの混ぜ飯

僕が大学に入学した1983年、後に料理漫画の金字塔と呼ばれるようになる作品の連載が始まりました。

その作品のタイトルは「美味しんぼ」。

それまでも料理を題材にした作品は漫画でも小説でもたくさんありましたがこの作品がそれらの作品と一線を画するのは主人公が料理を作るのではなく料理(食)を語ること。

それまで料理漫画の主人公の定番職業は当たり前ですが料理人だったのです。

客に難題をふっかけられたり凄腕の料理人と勝負したり、その難局をすごい料理のアイデアで切り抜けていくというのがお決まりの流れでした。

ところが美味しんぼの主人公の職業は新聞記者。

彼は食に関する強い信念を持っていて料理や食に関する既成概念に多くの疑問を持っている。

それまで僕らが当たり前だと思っていた食材や調理法の常識を権力や権威に臆せず論理的に覆していく展開がなんとも痛快でした。

後には既成概念への批判がいささか行き過ぎて物議を醸し出すことも多々ありましたが間違いなく多くの読者に「食べる」ということの大切さを再認識させてくれた作品でした。

そういえば初期のエピソードにすき焼きやしゃぶしゃぶは「牛肉を最もまずく食べる調理法」だとこき下ろした話がありました(当たり前ですがすき焼き屋業界から猛抗議がありました(笑))。

すき焼きは砂糖と醤油で肉の旨味が感じられない。

しゃぶしゃぶは肉の旨味を茹で汁に捨ててしまっている──という論調だったと思います。

料理を覚え始めたばかりだった僕はそれを素直に受け止めて海原雄山(主人公が仇敵と思い定めている自身の父親)をも唸らせた「シャブスキー」(すき焼きとしゃぶしゃぶの良いところ取りな料理)の再現を試みたりしましたっけ。

あれから40年。

今ではあれは若気の至りだったと苦笑しつつ、「いや、すき焼きはやっぱり美味しいやん」とひとりごちていたりして。

で、とあるランチタイム。

すき焼きの旨味をご飯がしっかり受け止めるこんな料理を作ったりしているのです。

【材料】(1人分) 

調理時間:15分-

  • ご飯:1膳分
  • 牛バラ肉:50g
  • しめじ:1/4株
  • 人参:スライス3枚
  • 生姜:スライス2枚
  • 刻みネギ:少々
  • ごま油:4g(小匙1)

[煮汁パート]

  • だしの素(昆布):小匙1/2
  • 濃口醤油:18g(大匙1)
  • 砂糖:4.5g(大匙1/2)
  • 酒:10g(小匙2)
  • 味醂:12g(小匙2)

【作り方】

  1. 牛肉は食べ易い大きさに切ります。しめじは小房に分けます。人参と生姜は千切りにします。
  2. フライパンにごま油と生姜を入れて中火にかけます。香りが立ってきたら牛肉としめじを加えて肉の色が変わるまで炒めます。更に人参を加えてさっと炒めます。 ※2.に[煮汁パート]を加えて蓋をし、中火で7分煮込みます。蓋を取って水気をほぼ飛ばします。
  3. 煮汁の水気は少し残してご飯に染み込ませると美味しいです。
  4. ご飯を丼によそい3.を加えてよく混ぜ込みます。仕上げに刻みネギを散らせばできあがり。

【一口メモ】

  • 味付けはすき焼き風味なのでなんだか贅沢な気分。その煮汁を白いご飯がしっかり受け止めているのでいやでも食欲が湧きます。
  • お好みで白ごまを振ると風味が引き立ちます。七味唐辛子や豆板醤を加えてピリ辛にするのもありですよ。粉山椒を振っても良い感じ。
  • 変わった食べ方として手巻き寿司の海苔に巻いて食べると海苔の風味が加わってまた楽しい。ちょっと贅沢なかやくご飯のおにぎりを食べている気分になれます。

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