担仔麺(タン・ツー・メン)

2023-12-28

以前観たバラエティー番組で「バイキング料理の達人」みたいな人に登場いただいてバイキング料理でいっぱい食べる極意みたいなのを紹介してもらうという企画がありました。

登場したのはひょろっと痩せた普通のおじさん。

「ええ、この人が大食いなの」

なんて思わせるのには十分すぎるインパクトのあるビジュアルでした。

で、実際にガタイの良い体育会系の学生さん２、３人とバイキング料理対決をして完食した皿数で圧勝していましたから大したものです。

彼曰くバイキング料理でたくさん食べるコツはまずお友達と連れ立って行っておしゃべりを楽しみながら食事をすることだそうです。

一人で黙々と食べ続けるとたちまち食欲が落ちるんだとか。

これはなんとなくわかる気がするな。

食事でもお酒でも気分が楽しいとついつい食べ過ぎちゃう。

反面、気分が沈んでいると箸は進まなくなります。

２つ目のコツはバイキングに行くまでの食事は普通に摂っておくこと。

例えば夜にバイキングに行くからといって朝食、昼食を抜くのはＮＧだとか。

空腹状態が続くと人の胃は縮んでたくさん食べられなくなるそうですし何より飢餓状態でご飯を食べると血糖値が一気に上がってすぐに満腹を感じるのだそう。

そして一番の極意は──一度にいっぱい取らないことだそうです。

実は人の食欲は脳の満腹中枢で判断していますので視覚情報は重要な判断ファクターになるらしいのです。

実際に胃に物が入っていなくても目の前に大量の料理があるといきなり食欲にブレーキをかけてしまうのだとか。

例えば餃子１０人前を３０分で完食したらタダなんてチャレンジメニューは大皿に１０人前をドカッと盛って供されます。

あれはこの満腹中枢の特性を逆に利用して食欲を削いでいるのだそうです。

台湾料理にはこの「一度にいっぱい取らない」を体現するような思想があるそうでこんな言葉で表現されます。

「食巧不食飽」(飽きずに美味しく食べてね)

どんなに美味しい料理でも「もう飽きた」なんて思うまで食べちゃ美味しくないよ。

「もうちょっと欲しいな」くらいで止めておくのが美味しく食べるコツなんだ──といったほどの意味です。

なので夜市の屋台などで売られている料理は少し小ぶりな器に入っていることが多いそうです。

名物の「担仔麺(タン・ツー・メン)」もツルツルってすすっていたら「あれ、美味しかったけどもうなくなっちゃった」という絶妙なボリュームで提供されるらしい。

ま、商売っ気から言っても満腹になる前に丼が空いてしまえば「次は何を食べようか」ってお客に言ってもらえますしなかなか強かな言葉な気もするのですけどね。

【材料】(1人分)　

－調理時間：１０分－

[肉みそパート]

[スープパート]

ラーメンを茹でる湯(分量外)を茹でて沸いたら棒ラーメンを入れて規定時間－1分茹でます。茹で上がったらざるに揚げて湯切りをします。
１．と並行して[スープパート]を合わせて強火にかけひと煮立ちしたら火を止めておきます。
１．、２．と並行して[肉みそパート]をフライパンに合わせ弱火にかけて肉の色が変わって水気がほぼなくなるまで炒めます。
[スープパート]を再度火にかけて再度煮立たせます。沸騰するのを待つ間に小ぶりの丼に麺を入れて[肉みそパート]を載せます。[スープパート]が沸いたら静かに丼に注げば出来上がり。

日本のラーメンに比べるとすっごくシンプルな味の麺料理です。その分、飽きが来なくてあっというまに食べ切っちゃいます。
台湾の「食巧不食飽(美味しく飽きずに食べてね)」という流儀に則って麺の量はだいぶ少なめにしてあります。その分、他におかずを用意していろいろな料理を楽しんでください。
最初はスープ単体、肉みそ単体で楽しんである程度食べ進んだら肉みそをスープに混ぜ込んでみてください。味ががらりと変わって楽しいですよ。
トッピングは他に海老、もやし、パクチー(香菜)などが載っていることが多いみたい。わざわざ買ってくるほどのものでもない気がしますが手持ちがあればぜひ加えてください。