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お茶漬け

とんかつ茶漬け

現在大学四年生の次女は以前、海鮮居酒屋でアルバイトをしていました。

「"まかない”はセルフで海鮮丼を作って食べるねん」

なんて言ってましたっけ。

丼にご飯をよそって好みの刺身を好きなだけ載せて食べて良いらしい……

って、おい、羨ましいじゃないか。

ちょっとその海鮮居酒屋でバイトしたくなりました(笑)"賄い(まかない)料理"とは飲食店で店が従業員に出す料理のことで、主に食材の残りやありあわせで作られるものです。

"賄う"には「世話をする」「扶養する」という意味がありますので、店主が従業員に食事を提供して面倒を見る、という意味で使われ始めたようですね。

その起源は江戸時代まで遡り、当時は店が従業員の食事を出すのが制度として確立していたらしい。

飲食店に勤めているというよりは奉公に近い感じだったのかな。

その習慣は今も脈々と続いていて、賄い料理を従業員に出す店が多くあります。

まあ、飲食店は長時間労働になりますし、その間、飲まず食わずというわけにもいかないでしょう。

加えて食材ロスの対策にもなります。

従業員の腹を満たすのが本来の目的ですが、賄い料理はそれ以外の効果も期待できます。

まず、従業員同士、せまい厨房でご飯を食べれば言葉も交わしますし、仲良くなれます。

多忙な厨房の仕事は従業員間の連携が必須。

慣れ合い過ぎちゃだめですが、程よく親密になるのは良いことだと思います。

加えて、当番制で賄い料理を作り合えば、調理技術の向上にもつながりますし、お互いが持っているテクニックを共有することもできます。

そして──客に出さない前提だからこそ、自由な発想で料理を作ることができます。

そこで考案されたアイデアから新メニューが誕生することも少なからずあるのです。

オムライス、天むす、つけ麺、チキン南蛮、台湾らーめん──これらの料理はみな、賄いから人気メニューへと成り上がっていったと言われています。

1954年(昭和29年)、新宿に「民芸茶房すゞや」というお店がオープンしました。

民芸品のコレクションが趣味のご夫婦が営む喫茶店的なお店だったのですが、やがてとんかつなどの洋食も出すようになりました。

この店の賄いは白いご飯と売れ残ったとんかつ。

とんかつはすっかり冷めてしまっていたのですが電子レンジなどまだなかった時代のことです。

いつの間にか従業員たちの間でご飯にとんかつを載せて、お茶をかけて食べるのが流行り出したとか。

やがて、それを耳にした常連客の求めに応じて、とんかつ茶漬けは裏メニューに昇格しました。

そして──すゞやは今でも新宿で営業しておりますが、そこのメニューにはちゃんと『すずや名物 とんかつ茶漬け』が並んでいるそうです。

侮りがたし、賄い料理。

【材料】(1人分) 

調理時間:3分(とんかつを自作する時間およびとんかつを温め直す時間は含めていません)-

  • ご飯:1膳分
  • とんかつ:1枚

[だし茶パート]

  • 塩:1g(小さじ1/6)
  • 濃口醤油:3g(小さじ1/2)
  • かつお出汁:150g

[薬味パート]

  • 刻み葱:適宜
  • 刻み海苔:適宜
  • わさび:適宜

【作り方】

  1. とんかつは自作でも、スーパーのお惣菜コーナーなどで買ってきたものでもどちらでもOKです。もし、冷めていたらオーブントースターの中温(160?180度)で5分温めておきます。これを食べやすい大きさに切ります。 ※揚げ物は電子レンジで温め直すと衣がべちゃっとしてしまうので、オーブントースターで焼くのがおすすめです。
  2. [だし茶パート]を小鍋に入れてひと煮立ちさせます。
  3. ご飯をおおぶりの茶碗か丼によそい、とんかつを載せます。2.を回しがけて、[薬味パート]を添えればできあがり。

【一口メモ】

  • だし茶でふやけた衣が意外と美味しい。考えてみればかつ丼も出汁で煮て卵で閉じていますしこれはありかも。わさびの鼻に抜ける辛味も良いアクセントになっています。
  • 新宿にある"すずや"というお店のまかないから生まれた名物料理だそうです。これは客たちが食べたがるのも無理はないと思う。
  • 手持ちがあれば昆布出汁の素を[だし茶パート]に加えてください。かつお出汁との相乗効果で旨味が倍増します。

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