知らない音楽を耳にした時、「なんか日本っぽい音楽だな」と感じたら、その楽曲はヨナ抜き音階で作曲されている可能性が高いです。
ヨナ抜き音階とは、ドレミファソラシの7音階から下から4番目(ヨ)のファと、下から7番目(ナ)のシを使わずに作曲された音階のこと。

ピアノの鍵盤を見ると分かりやすいのですが、ミとファ、シとドの間には半音を鳴らすための黒鍵がありません。
つまり「ミ♯=ファ」「ファ♭=ミ」、「シ♯=ド」「ド♭=シ」なんですね。

日本の伝統音楽には半音進行の概念がないものが多く、ファとシを抜くことで“半音が存在しない音階”になり、いかにも日本風の響きになる仕組みです。
君が代や唱歌『赤とんぼ』などはこのヨナ抜き音階の代表例です。
音楽だけではなく、他の芸術ジャンルにも「なんか日本っぽい」技法があります。
たとえば絵画なら、遠近法を排してものを平面で捉える。
陰影を強調せず輪郭線をくっきり描く。
さらに、モチーフを大胆にカットする浮世絵的なトリミングを取り入れると、日本画らしい雰囲気が生まれます。

もちろん料理にも「日本っぽい」味付けがあります。
ダシ(旨味)を基本にする。
素材をできるだけ加工せず、素材そのものの味を活かす。
そして“さしすせそ”(砂糖、塩、酢、醤油、味噌)を軸にした黄金比──煮物ならダシ:醤油:味醂=10:1:1──を守る。

こうすると、いかにも和食らしい味わいになります。
では、逆に和食を中華料理っぽくアレンジするにはどうすれば良いか。
- 香味野菜(葱、生姜、にんにくなど)を加える
- 中華調味料(オイスターソース、豆板醤、鶏がらスープの素など)を使う
- 中華独特のスパイス(花椒、八角、五香粉など)を加える
──今ではどれもスーパーで手に入るので、中華風アレンジはとても身近です。

でも、そういったアイテムが手元になくても、もっと簡単に中華風に寄せる方法があります。
それは「油を効果的に使う」こと。
中国の家庭料理では、油をコクと香りの決め手として使うことが多いのです。
たとえば、ごま油をほんの少し垂らすだけで、ありふれたおひたしが中華総菜に早変わりするんですよ。
【材料】(1人分)
-調理時間:7分-
- ツルムラサキ:半束
- 竹輪:1本
[調味料パート]
- 濃口醤油:9g(大さじ1/2)
- 酒:7.5g(大さじ1/2)
- 味醂:9g(大さじ1/2)
- 塩:ひとつまみ
- ごま油:2g(小さじ1/2)
- かつおだしの素:小さじ1/2
【作り方】
- ツルムラサキを茹でる湯(分量外)を沸かします。待つ間に、茎と葉を切り分けます。茎は2cm幅の小口切り、葉はざく切りにします。
- 湯が沸いたら茎を入れ3分茹でます。2分経ったところで葉も加えて茹でます。待っている間に竹輪は5mm幅の小口切りに。盛り付ける器に[調味料パート]を入れて混ぜておきます。茹で上がったらざるに上げ、流水で急冷し、水気をよく絞ります。
- 器にツルムラサキと竹輪を加え、よく和えればできあがり。
【一口メモ】
- ごま油を少し加えるだけで、ありふれた和風おひたしが一気に中華風に変わるのが面白いところ。主菜が中華惣菜(八宝菜、青椒肉絲など)の時にぴったりの副菜です。
- 醤油の量を半分にし、同量のオイスターソースを加えるとより中華寄りに。おろし生姜の追加もおすすめ。
- ツルムラサキは1970年代から普及しはじめた比較的新しい夏野菜。栄養価が非常に高く、カルシウムはほうれん草の3倍。ビタミンA・C、鉄分、食物繊維も豊富なので、ぜひ食卓に取り入れてみてください。
- ツルムラサキには海鮮系の相性が抜群。竹輪のほか、細切りの蒲鉾、カニカマ、ちりめんじゃこ、アミエビなども合います。

