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豚肉の料理(和食)

にらと豚肉の味噌炒め

過日、元職場の同期会がありまして、久しぶりに大阪まで飲みに行ってきました。

僕らが入社したのは1988年(昭和63年)。

つまり、最後の昭和入社組で翌年からは平成入社となった節目の年です。

その入社から37年経過した今年は大半のメンバーが定年になったはずなのですが、雇用延長で職場に残った人もまだまだ多い。

自然と飲み会の会場は古巣の京橋あたりになりました。

近況報告などする中で一人がこんなことを言い出しました。

「毎月のクレジットの請求が30万超えるねん」

一瞬、どんな買い物してるんだよって思ったのですがよく聞くと、家賃、光熱費の払いはもちろん、外食やコンビニでジュース1本買うのもクレジットカードを使っているとのこと。

なるほど、30万円超えが妥当かどうかは別として、相当な請求が来そうです。

僕は小心者なので

「現金払いにして財布の中身が減っていくのを確かめていないと、使い過ぎてしまいそうで怖い」

なんて旧弊な発想をしてしまいがちですが、彼のキャッシュレス・ライフはある意味、原点回帰でもあるんだよなぁと思いました。

江戸時代、日々の買い物はその都度お金を払うのではなく、“掛け売り”が一般的でした。

つまり"ツケ払い"。

だいたい盆と暮れの年に2回まとめて払うシステムでした。

だから年末になると金策に走り回る人が増えたとか。

普段、"先生"なんて呼ばれている人まで走っているので、付いた月の名が"師走"。

言い得て妙です。

もちろん、クレジット払いは信販会社が立て替えてくれてお店への支払いはその場で済んでいるので、仕組みとしては別物なのです。

けれど、消費者視点で見ればどちらも"あとでまとめて払うので、現金がなくても買い物ができる"という一点において、現代のキャッシュレス・ライフは江戸時代への原点回帰に見えなくもありませんね。

この似て非なる"キャッシュレス"システムが江戸時代に成立していたのはとりもなおさず、店と客の信頼あってのことだと思います。

その信頼を築けたのは日頃からお互いに会話して、顔見知りになっていたからというのが大きかっただろうと僕は想像します。

「自動券売機がなかった頃は、駅で切符を買うのでも、駅員さんに『梅田まで大人1枚』とか言って売ってもらってたんやで」

以前、娘にそう話したらびっくりされましたが、昔はとにかく言葉を交わさずに買い物をすることがありませんでした。

レジで商品のバーコードを読み取ってもらっている間も、スマホをいじり続けている人を見かけると、江戸時代だったらこの人は暮らしていけないだろうな──なんて、心の中で笑ってしまいます。

「お、いらっしゃい」

「おじちゃん、今日は何が安いん?」

「アジが安いよ。あと、タコの良えのんが入ってるで」

「タコかぁ、どうしようかなぁ」

「安くしとくから、買うてってよ」

日々、こんな会話を交わしながら、顔と名前を憶えて、やがては身内のように親しくなっていったからこそツケ払いで問題ないという空気が醸成できたのでしょう。

過日、いつもの八百屋を覗いたら、にらが2束で50円という破格のお値段で売られていました。

穂先が黄色くなりかかっていて処分品扱いになったみたい。

欲しい……、けど、さすがに2束は多すぎる。

そこで、いいかげん顔馴染みになっている店のご主人に「これ、1束で売ってくれへん」と持ち掛けると「ええよ、38円」と即答が返ってきました。

お店の人と仲良くなっておくと、こういった融通を利かせてもらえたりするのです。

スーパーではこうはいきますまい。

しかし、38円はけっこう渋い価格設定だな(笑) ともあれ、無事、にら1束をゲットしまして、その夜のおかずはこんな料理になりました。

【材料】(1人分) 

調理時間:7分-

  • 豚肉(部位はありあわせで)スライスまたはこま切れ:100g
  • にら:6本
  • 玉ねぎ:1/4個
  • ごま油:12g(大さじ1)

[調味料パート]

  • 味噌:18g(大さじ1)
  • 酒:15g(大さじ1)
  • 砂糖:3g(小さじ1)
  • おろしにんにく:ひとかけ分

【作り方】

  1. 豚肉は食べやすい大きさに切ります。にらは根元を落として4cm幅に切ります。玉ねぎは薄切りにします。[調味料パート]を合わせてよく混ぜておきます。
  2. フライパンにごま油を入れて中火にかけます。ごま油の香りが立ってきたら豚肉、玉ねぎを入れ肉の色が変わるまで炒めます。
  3. 2.に、にらを加えて蓋をし、1分蒸し焼きにします。蓋を取って鍋肌から[調味料パート]を流しいれ、絡めながら水気がほぼなくなるまで炒めればできあがり。

【一口メモ】

  • にらとにんにくの香りが刺激的で食欲をそそります。味噌のコクが全体をマイルドに包み込んで優しい味に仕上がりますよ。
  • にらはにんにく同様、炒め物にちょこっと加えると風味がぐっと上がる便利な野菜です。特にレバーなどクセのある食材と相性が良いのでいろいろお試しあれ。
  • 近頃は味噌を常備しない家も増えていますが「醤油とはまた違った風味が楽しめます。少量パックでも良いので、ぜひおすすめしたい調味料です。冷蔵庫に入れておけばけっこう長持ちしますよ。

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