あの声で蜥蜴食らうか時鳥(ほととぎす)なんて言葉があるそうです。
あの美しい声で鳴くほととぎすはトカゲを食べるんだぜ──と言ったほどの意味。
綺麗なバラには棘があると同様に人(女性)は見かけによらぬものという意味合いで警句めいて使われることが多いようです。

世の中には見かけだけ見ているとそうは見えないというものが往々にしてあります。
例えばキャベツ。
あれは収穫をせずに放置しておくと茎が伸びて黄色い小さな花を付けるアブラナの仲間です。
普段僕らはその葉をバリバリ食べているので全然そんな風には思えないのですが。

あるいはズッキーニ。
細長くて緑色なのできゅうりの仲間と思われる向きがありますが実はかぼちゃの仲間です。
ヘタの形状をよく観察するとかぼちゃと似ていることがわかります。


同様に料理にも言われたら「そうかな」と思うけどとてもそうは見えないものがあります。
その最たるもののひとつが親子丼じゃないかしらん。
一般的な親子丼は煮込んだ鶏肉を卵でとじて煮汁ごとご飯にかけたスタイルの丼物です。

けど親子丼って実にいろいろなバリエーションがあるんですよね。
例えば大阪市天満(てんま)にある鶏玉というお店の親子丼。
煮こんだ鶏そぼろの上に巨大な出汁巻き卵が乗っかっています。

いやいや確かに鶏肉と卵を使っているから親子丼なんだろうけどビジュアルがこれじゃない感しかないやん。
あるいは卵とじにした唐揚げが丼に載っているというお店もあります。
一目見たら「なんか違う」と言ってしまいそう。
この前とあるうどん屋さんで戴いた親子丼は鴨肉を使ったもの。

リッチなんだけどどう考えても鴨は鶏卵を産まないし,、もはや他人丼と呼ぶべきではw
はたまた寿司屋の丼物ではけっこう定番になっている親子丼は鮭といくらが載っています。
言いたいことはわかる。

わかるんだけど……なんか違うと思っちゃう。
とまあ世の中にはいろいろなスタイルの親子があるよねと僕らに感じさせてくれるくらい様々な親子丼が存在するのです。
だったらスクランブルエッグに鶏の照り焼きが載っているこの丼も親子丼と呼んで差し支えないでしょう。
と言い訳じみたことをつらつら書いてしまいましたが実際美味しかったのでレシピを紹介しますね。
【材料】(1人分)
-調理時間:9分-
- ご飯:1膳分
- 鶏もも肉:70?80g
- 鶏ハツ:50g
- 卵:1個
- バター:6g(大匙1/2)
- オクラ:2本
[調味料パート]
- 濃口醤油:12g(小匙2)
- 酒:10g(小匙2)
- 味醂:12g(小匙2)
- 砂糖:3g(小匙1)
- 実山椒:2、3粒なければ粉山椒少々
【作り方】
- オクラを茹でる湯(分量外)を沸かしてオクラを投入し1分半茹でます。茹で上がったら冷水に入れて急冷しヘタを取って小口切りにします。
- 1.と並行して卵を割ってよく溶きます。フライパンにバターを入れて中火にかけます。バターが融けたら卵を流しいれそのまま10秒いじらずに焼きます。卵の端から畳むように折っていき上面の卵液を流出させてまた焼きます。これを3回ほど繰り返して半熟のスクランブルエッグにして一旦これを皿に取ります。
- 鶏もも肉を一口大に切ります。ハツは4つ割にして血合いを包丁の刃先でこそげ取ります。2.のフライパンを洗わずにそのまま中火にかけ鶏肉を加えて色が変わるまで焼きます。これに[調味料パート]を加えて絡めながら水気がなくなるまで炒めます。
- 丼にご飯を盛り付けスクランブルエッグを載せます。その上に1.のオクラと3.の鶏肉を載せればできあがり。
【一口メモ】
- 鶏肉の甘辛加減が良い感じ。バターの風味と山椒のピリ辛も良いアクセントになっています。
- 「ん? どこが親子丼?」って言われそうな気がしないでもないですが、ご飯の上に卵と鶏肉が載っていればだいたい親子丼なのです。間違いない!
- 鶏ハツは一例ですが鶏もも肉だけだと味が単調になりがちなので複数の部位を使うとメリハリが付いて飽きずに食べられるのでおススメです。ちょっと手間だけど砂肝を小さめに切って片栗粉をまぶし唐揚げにして混ぜると食感にも変化が付いて楽しいよ。
- オクラは冷蔵庫にあったので使っただけで必須ではありません。炒め物に使えそうな野菜や茸をあり合わせで見繕ってください。

