元号が平成に変わってまだ数年、僕が若手社員だった頃の話です。
当時、僕がいた部署は酒飲みが多くて、仕事帰りに声を掛け合ってちょっと一杯なんて光景をよく見かけました。

ある時、既婚者の先輩を誘ったら「ちょっと待って」と言われて奥様に電話。
「今日の晩御飯何?」と彼が訊くと、奥様が「野菜炒めだよ」と答えたらしい。

すると彼は迷うことなく「あ、ごめん。後輩に誘われたから飲んで帰るわ」と即答。
……。
それからしばらく、その先輩は奥様に口をきいてもらえなくなったとか(笑)
クリスマス、お正月、誕生日──特別な日に特別な料理が食卓に並ぶ光景は胸躍るものがあります。

けど、本当に彩りが必要なのは、そういったハレの日の料理よりも普段のケの日の料理なのかもしれません。
子どもの頃、夕ご飯に好物が出てきたら「やったあ」と叫び、嫌いなおかずが出てきたら「ええっ」と口を尖らせた経験が、誰しもあるのではないでしょうか。
それを見たお母さんに「文句言わずに食べなさい」と叱られるところまでが1セットですね。

けどね、叱られながらでも自分の体や好みを気遣って献立に工夫を凝らしてもらえることがどれだけありがたいか、いずれ身に染みて知るようになるのですよ。
大人になって自分で自分の食事を賄うようになると、誰もそんな気遣いはしてくれなくなりますから。
それでも自炊を始めたばかりの頃はウキウキ気分かもしれません。
食卓の上には好きなおかず満載。
嫌いなおかずよサヨウナラ──なんてね。

けど、日が経つうちに気になり始めるのです。
栄養や体重が(笑)
やっぱり、野菜も摂らないとダメだよなとか、肉や脂肪分の多い料理はほどほどにとか考えて、結局は苦手な食べ物も食卓に出すようになったりして。
けど、まだそんなジレンマに悩んでいるうちは序の口。
やがて──尽きてしまうのです。
レパートリーが。

そして、「これ、この前も食べたよな」なんて思いながら、地獄のヘビーローテーションにハマっていくという。
そんなヘビロテを回避するためには精進あるのみ。
特別じゃない日の料理に相応しい、飾らないけど、なんかちょっとウキウキする料理のレシピをいっぱい覚えましょう。

ひじきご飯も僕にとってはそんなウキウキ料理のひとつです。
白ご飯に飽きた時に簡単に作れて目先が変わるので、おすすめなのですよ。
【材料】(2人分)
-調理時間:60分-
- 米:1合
- 乾燥ひじき:2g
- 塩:3g(小さじ1/2)
- 水:米1合分
【作り方】
- 米を研いで炊飯器の釜に米、塩、水を合わせてよく混ぜます。これを炊飯器にセットしてひじきを加えそのままスイッチを入れずに30分置きます。
- ひじきを加えてからは混ぜないようにします。混ぜないことで米に均等に熱が通ります。
- 1.の炊飯器のスイッチを入れ、普通に炊きます。炊き上がったらそのまま5分放置して蒸らし、蓋を開けてしゃもじでよくかき混ぜればできあがり。
【一口メモ】
- 実は作ろうとしていたのはワカメご飯だったのです。けど、乾燥ワカメと間違えて乾燥ひじきを入れてしまったという。おかげでワカメご飯のレシピでひじきご飯を作っても美味しく作れるという実験ができました。
- 夕飯に出してももちろん良いのですが、お弁当に詰めると目先が変わって楽しいですよ。
- 他にも人参、茸、薄揚げなどを細切りにして加えれば具沢山の炊き込みご飯になります。その場合は塩を心持ち多めに加えてください。
- 醤油系の味付けにしたい場合は塩の代わりに濃口醤油15g、酒7.5g(大さじ1/2)、味醂9g(大さじ1/2)、砂糖ひとつまみを加えてください。

