昔は白いご飯がすごくご馳走だったみたい。
食事は一汁一菜が基本。
お家によってはご飯に味噌汁のみ。
これに漬物があれば贅沢なんてのも当たり前にあったようですから白いご飯がまさに「主食」のポジションにあったわけですね。
今はおかずが何品かないと寂しいなんて贅沢なことを考える時代になっちゃったので白いご飯の位置付けもそこまで重要じゃなくなっていて中にはおかずがあればご飯はいらないなんて人もいるみたいです。
だからか、時代が下るに連れてご飯も「白い」にこだわらず様々なアレンジが工夫されてきました。
ご飯を炒めるチャーハン、焼き飯。
卵を始めとして具材を混ぜ込む混ぜご飯。
スープで煮込むおじや、リゾット。
上におかずを載せて完結させる丼。
そしてご飯を炊く前に具材や調味料を合わせておいて一緒に炊き込む炊き込みご飯もその一つです。
そのルーツは奈良時代まで遡りますが芥川龍之介の「芋粥」(舞台は平安末期)に出てくるあの料理も一種の炊き込みご飯と言えるでしょう。
具材は鶏肉や魚介、野菜や根菜が定番ですが旬の具材を使えば季節が感じられてごちそう感がマシマシになります。
なので僕的には年中手に入る鶏肉より特定の季節にしか手に入らない魚介の炊き込みご飯の方が別格観が強いかな。
たとえば初夏のこの時期であれば小アジ。
刺し身で食べても美味しい新鮮なアジを炊き込むのは贅沢な気がしますが独特の風味に暑さに負けない元気をもらえる気がします。
【材料】(2~3人分)
-調理時間:75分-
- 米:2合
- 塩:適宜
- 小アジ:6尾
- お好みの野菜:ごぼう、人参、しめじなど
- 生姜スライス:2枚
- 昆布だし:500g(カップ2.5)
- (あれば)大葉:2、3枚
[調味料パート]
- 濃口醤油:36g(大匙2)
- 酒:15g(大匙1)
- 味醂:18g(大匙1)
- 砂糖:3g(小匙1)
- 塩:3g(小匙1/2)
【作り方】
- 小アジは三枚におろして流水でよく洗います。これに塩を振って冷蔵庫で30分休ませます。並行して米を研ぎ土鍋に昆布だしと合わせて30分浸けます。
- 1.をやっている間にお好みの野菜は食べ易い大きさに切ります。ごぼうはささがきに、人参は細切りにしめじなら小房に分けておきます。生姜は千切りにします。
- 1.の土鍋に[調味料パート]とお好みの野菜と生姜を加えてさっくり混ぜます。これにさっと水洗いした小アジを載せて蓋をします。
- 3.を強火でひと煮立ちさせ弱火にして15分炊きます。火を止めて20分蓋を取らずに蒸らします。蓋を取ってしゃもじで混ぜながら小アジの身をよくほぐします。お茶碗によそって細切りにした大葉を載せて戴きます。
【一口メモ】
- 魚独特の風味が堪能できる一杯。生姜の風味も楽しいです。ぜひ旬の5~6月、初夏の頃に戴いてください。
- 大葉があると見た目も鮮やかで清涼感も加わってごちそう感が更に増しますよ。
- 合わせる具材は根菜がオススメ。れんこんなどを入れても楽しいです。