三日坊主というと飽きっぽくて物事が長続きしない情けない人という意味合いの言葉ですがその語源はけっこうシリアスな話だったという説があります。
脚気(かっけ)にかかると三日目には坊主を呼ぶことになる。
明治時代、脚気は多数の死者を出した難病で罹患するとあっという間に死に至ることから「三日坊主」と呼ばれたという説があるのです。
ただその真偽はちょっと怪しくて僕の推測ではこんないきさつだったんじゃないかなと思っています。
(生活が安定するので)坊主にでもなるかと出家したものの修行があまりに厳しくて3日ほどで投げ出して俗世間に戻ってくる人のことを「三日坊主」と呼んだ。
で、脚気が猛威を振るった明治から大正にかけてブラックユーモアたっぷりの洒落で脚気患者を「三日坊主」と呼ぶようになったと言ったところだったんじゃないでしょうか。
死者数がピークを迎えた大正時代には年間3万人もの死者を出したそうですからそれだけ怖い病気だったのでしょう。
とまれ、今では脚気の原因ははっきりしていて米糠などに多く含まれるビタミンB1の欠乏症であることは中学生でも知っています。
ところが江戸時代以来、白米を食べることが金持ちのステイタスみたいに考える風潮が根付いていて将軍をはじめ上級武士ほど脚気にかかりやすかった。
逆に玄米や麦飯を食べていた百姓は脚気になりにくかったというのは皮肉な話です。
料理の旨いまずいは一旦置いておいて栄養学の観点から考えれば単一の食品よりもいろいろな食材を合わせて食べていれば理屈はわからなくても健康に暮らせるということは往々にしてあると思います。
例えばこの1杯のお粥のようにおかずになるものを混ぜ込めば断然栄養バランスは良くなる──たらればを言ってもせんないことですが明治の頃にそんな知恵があったらなと思ったりします。
【材料】(1人分)
-調理時間:35分-
- 米:100g(米用のカップで1/2杯)
- 塩鮭:1切れ
- ごま油:4g(小匙1)
- カイワレ大根:ひとつまみ
- 生姜:スライス1枚
- ポン酢醤油:適宜
[スープパート]
- 水:300g(300ml)
- 干し貝柱スープの素:2g(なければ同量の鶏ガラスープの素)
【作り方】
- 米はざるに入れて流水をかけながら手で優しくこするように洗って水気を切ります。並行して塩鮭を魚焼きのグリルで焼いておきます。 ※拝み洗いという洗い方で米のとぎ汁がきれいに排水できます。但し、力を入れすぎると米が割れるのであくまでも優しくこすってください。
- 土鍋に米とごま油を合わせてしゃもじで混ぜて良くまぶします。これに[スープパート]を加えてひと煮立ちさせます。これに皮と骨を取って粗くほぐした鮭と千切りにした生姜を加えて弱火で15分煮ます。火を止めてそのまま15分蒸らします。
- 2.を待っている間に鮭の皮は耐熱皿に入れて電子レンジの500ワットで2分チンします。皮がカリカリになりますのでキッチンばさみなどで粗く微塵に切ります。
- 2.を器によそい鮭の皮とカイワレ大根をトッピングすればできあがり。お好みでポン酢をかけて戴きます。
【一口メモ】
- 鮭の香ばしい風味とごま油の香りが食欲を掻き立ててくれます。おかゆと言えどきちんとしたご馳走に感じられる1杯ですよ。
- 必殺アイテムは味の素の「干し貝柱スープの素」。これを加えるだけで海鮮系の旨味がマシマシになるのです。顆粒でめっちゃ扱いやすいのでうちでは常備しています。
- 鮭の代わりに鶏もも肉または胸肉を使っても美味しく作れます。その際は干し貝柱スープの素の代わりに鶏がらスープの素を使いましょう。