東南アジアには魚醤と呼ばれる発酵調味料が古くから使われています。
大雑把に言うと魚を塩漬けにして発酵させ出てきたうわずみ液を調味料として使うものです。
大豆から作る醤油に比べて匂いが強く好き嫌いがわりとはっきり分かれる味だと思います。
ナンプラー(タイ)、ニョクマム(ベトナム)、エクチョッ(韓国)、魚露(ユールー)(中国)、ナンパー(ラオス)、ブドゥ(マレーシア)と国ごとに代表的な魚醤があって風味がだいぶ違うのが面白いですね。
日本では秋田のしょっつるをすぐに思い出しますが、実は日本の魚醤の歴史は平安時代に遡るので戦国から江戸期にかけて誕生した
醤油より全然長かったりします。
意外と日本では知られていないのですが、ヨーロッパのウスターソースも魚醤の一種です。
日本で売られているウスターソースは日本人が考案したもので名前は一緒ですが全く別物です。
これだけお国自慢の魚醤があるわけですから、料理の味付けで魚醤を使い分ければ「××風」の料理というのができそうです。
ということで、ナンプラーを使ってタイ風の料理を作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- 大根:1cmの輪切り1枚
- 豚ミンチ:30g
- 生姜:ひとかけ
- ごま油:少々
- 水:200g(1カップ)
- 酒:5g(小匙1)
- 刻み葱:少々
[調味料パート]
- ナンプラー:6g(小匙1)
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- 塩:ひとつまみ
【作り方】
- 生姜は細切りにします。大根はかつらに剥いて八等分くらいの銀杏切にします。
- 小鍋に生姜とごま油を入れて中火にかけます。香りが立ってきたらミンチを入れて色が変わるまで炒めます。更に大根を加えて1分ほど炒めます。
- 2.に水と酒を加えてひと煮立ちさせます。アクを掬い取って[調味料パート]を加えます。火を弱火にして蓋をし10分煮込んだらできあがり。器に盛って刻み葱を散らします。
【一口メモ】
- ナンプラーが苦手な方は臭いがダメとおっしゃるのですが、このスープはさほど強い臭いはしません。むしろちょっとエスニックな匂いと呼んで良いんじゃないかなという風味がして僕は好きです。
- [材料]を見て調味料が少なめなのでは? と感じるかもしれませんが、ちょうど良い塩梅です。ナンプラーなど魚醤は塩気が濃いので控えめに使うのが吉です。
- お好みで鷹の爪や豆板醤等辛めの調味料を使っても楽しいかも。グリーンカレーペーストをちょっと加えるのも面白そう。