最初は……おしるこだったらしい。
お湯を注ぐだけで簡単に〇〇が食べられるという発想の即席食品の国産商品化第一号は「懐中汁粉」だと言われています。
最中(もなか)の中に粉末状のこしあんが入っていてお椀に入れてお湯を注げば美味しいお汁粉が頂けるという仕組み。
正確な起源は不明ですが明治21年(1988年)に書かれた文献にはその言葉が出てくるそう(商品化ということでなければそれ以前にもすでにはったい粉や蕎麦がきのように湯を注いで戴く食べ物はあったのですが)。
それ以降も同じ発想で様々な商品が売り出されました。
お湯を注ぐだけで美味しいコーヒーが飲めるお湯を注ぐだけで熱々のスープが飲めるお湯を注ぐだけでラーメンが……
そういえば僕が子供の頃にはお湯ではなく冷たい水を注ぐだけで炭酸の泡がはじける清涼飲料が作れる粉末ジュースが大流行していましたっけ。
「お湯を注ぐだけで」を旗印にしたインスタント食品の進化はとどまることろを知らず、パスタやらご飯ものやら次々と新商品が登場します。
次は何が出てくるのかな。
とはいえインスタント食品は市販品の専売特許ではありません。
コンソメの素やダシの素の助けを借りれば市販品とは比べ物にならないしっかりした具材のスープが簡単に作れるんですよ。
──例えばこの料理みたいに。
【材料】(1人分)
-調理時間:3分-
- 山芋:4cm
- コンソメスープの素(顆粒):5g
- 水:300g(カップ1.5)
- 塩:1g(小匙1/6)
- 粗挽きブラックペッパー:少々
【作り方】
- 小鍋に水とコンソメスープの素、塩を合わせて強火にかけひと煮立ちさせます。
- 1.を待っている間に山芋は薄く皮を剥いて半分に切り半分はすりおろして盛り付ける器に入れます。残りは千切りにして同じ器に入れます。
- 2.に1.を注いで粗挽きブラックペッパーを振ればできあがり。
【一口メモ】
- ほぼカップスープ的なノリの料理とも呼べないレシピですが旨さはお墨付き。何より市販品と違ってきちんとした野菜を使っているので栄養価がグンと高いのです。
- このレシピのポイントは山芋を同じ小鍋に入れて煮るのではなく生の山芋にスープを注ぐところにあります。山芋に火が通り過ぎないのでとろみとシャクシャクした食感の両方が楽しめる一杯になるんですよ。
- 火を入れなくても食べられる野菜ならなんでも使えます。例えばオクラや大根(刺身のツマのような千切りにしたりおろしたりして投入しましょう)などがおススメ。ごぼうや人参でも予めレンチンしておけば応用できます。