Wikipediaを検索すると「おっきりこみ(おっ切り込み)」とありますがよそ者の僕からすると「おきりこみ」の方が語呂が良いなと思ったのでこちらの表記を採用しました。
おきりこみは群馬県、埼玉県、秩父地方などで食べられる郷土料理的な麺料理です。
麺は小麦粉を主原料とした平たい太麺。
具材は大根、人参、里芋などの根菜類がメインです。
つゆの味付けは醤油ベースのものと味噌ベースのものの2系統があるみたい。
起源は12世紀(平安末期)にまで遡って朝廷で食材管理の任を負っていた新田義重が本拠地の上州に戻る際に中国から京都に伝わったこの料理を持ち帰り、帰郷してからもよく食べていたので自然に広まったとか。
ま、栄養バランスも良く、でっかい鍋で大量に作れちゃうので忙しい農家のまかないにはもって来いな料理として重宝された一面もあるようです。
一般家庭に広まったのは石臼が普及した江戸中期以降のことのようですね。
根菜をふんだんに使うあたり海のない地方の知恵といったところでしょうか。
名前の由来はうどんのように包丁で切った麺を煮立ったつゆに「切っては入れ、切っては入れ」する所作から来ているとか。
他にも「煮ぼうとう」、「にぼと」、「ほうとう」、「立てっ返し」などと呼ぶ地域もあるらしいのですが、山梨名物の「ほうとう」とは微妙に違っていて別物という人が多いようです。
過日、ネットで何かのレシピを調べていて目の端に「おきりこみ」という単語が引っかかったのがきっかけでこの料理を知りました。
初めて耳にする郷土料理。
当たり前だけど世の中にはまだまだ僕の知らない料理がたくさんあるんだなぁとしみじみ思って俄然興味がわきました。
本式の麺は入手が難しいけれどきしめんで代用できるだろうと思い立ち業務スーパーで4束100円のきしめんを買い込んで来た次第です。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- きしめん(乾麺):1束
- 大根:3cm
- 人参:1/3本
- 里芋:2個
- 白ネギ:10cm
- 薄揚げ:半丁
[つゆパート]
- 蕎麦の本返しまたはめんつゆ:大匙2
- かつお出汁:300g(カップ1.5)
【作り方】
- 大根はかつら剥きにします。大根、人参を5mm厚のいちょう切りにします。里芋は皮を剥いて4つ割りか6つ割りくらいの食べ易い大きさに切ります。白ネギは5mm幅の斜め切りにします。
- 鍋に[つゆパート]を入れてひと煮立ちさせます。これにきしめんと1.を加えて15分煮ればできあがり。水の量をちょくちょくチェックして麺が鍋底にくっつかないよう追い足して下さい。
【一口メモ】
- 麺も煮込むので味がしっかり染みてめっちゃ美味しいです。具材もバラエティに富んでいて飽きが来ないのも良いなぁ。
- 元々、農家の賄い料理のようなものなので仕掛けてしまえば後は手間いらず。簡単にできてしまうのが嬉しいですね。
- 具材は他にも舞茸や白菜などを入れても楽しいです。
- このレシピのつゆは醤油ベースですがめんつゆの代わりに味噌を使って味噌ベースにしても楽しいです。最初の味付けは大匙1(18g)くらいにして工程2.の最後に味見をして物足りなければ味噌を足して下さい。最後に追い足すところだけ味噌の代わりにめんつゆや醤油を使うと味が複雑になって面白いですよ。
- アレンジとしてはカレー粉を加えてカレーうどん風にするのもありだと思います。