今どきはお正月くらいしかなかなか食べなくなった感のある蒲鉾ですが冷蔵庫にあればあったで便利なアイテムです。
うどんや蕎麦の具にして良し、チーズを挟んで焼いて良し、サラダに彩りを添えて良し、何より小腹が空いた時にちょこっと切ってむしゃむしゃ食べられるのが良いのです(お行儀が悪いけど)。
とはいえ、肉や野菜と違って主食材にはなりにくいですし、何より冷蔵庫に入れていても2、3日くらいしかもたない。
ついつい忘れていてダメにしちゃったなんてのもありそうな話です。
ということで、今日は蒲鉾の保存について解説してみたいと思います。
蒲鉾の保存
多くの食材が冷凍保存することで長持ちさせることができるように蒲鉾も冷凍保存できるかと言われればできます。
ただ、その特性から冷凍保存するにはいくつか難点があるのです。
まずはその難点を知るところから始めましょう。
蒲鉾を冷凍すると起きること
蒲鉾を冷凍保存するにはこんな難点があります。
蒲鉾は臭いが移りやすい
蒲鉾はとても臭いが移りやすい食材です。そして冷凍庫は案外いろいろな臭いの宝庫なのです。
蒲鉾を無造作に冷凍庫に入れておくといざ解凍して食べる時に残念な感じになってしまいます。
冷凍すると「す」が立つ
蒲鉾は凍らせると穴がポコポコ空いてしまいます。これを「す」が立つと言います。
蒲鉾の構造上、「す」が立つのを完全になくすことは難しいのですが立ちにくくする対策はありますのでそれを知っておくべきです。
蒲鉾の冷凍保存のコツ
臭い移りの対策
まずは蒲鉾に臭いを移さない対策です。
冷凍庫をこまめに掃除する
冷凍庫の臭いの元は中に入れている食材だけではありません。冷凍庫そのものの汚れも臭いの宝庫です。
こまめに掃除をすれば臭いはかなり軽減されます。
できれば定期的に冷凍庫の中身を空にしてまるっと洗うと更に効果的です。
臭いの強い食材をガードする
生魚など臭いの強い食材を剥き出しで入れていると周囲の食材に臭いを移すもとになります。
ラップで包むだけでなくジップロックに入れて保存しましょう。
蒲鉾もガードする
蒲鉾自体もラップとジップロックを使ってガードすると更に効果的です。
蒲鉾の保存に限った話ではありませんが冷蔵庫、冷凍庫のニオイ対策はこんな風に二重三重の手を打つのが効果的です。
「す」を立ちにくくする対策
蒲鉾を取り巻く温度が下がると身が縮みます。
元々が肉のようにひと塊の食材ではなく練り物ですので身が縮んだ分、隙間が空きます。
これが「す」の正体です。
なので蒲鉾自体の温度を一瞬でマイナス温度にしてしまえば身が縮む前に凍りつくので「す」が立たなくなるのです。
「す」の対策のキーワードはずばり「瞬冷」です。
蒲鉾を板から外す
板付きのまま蒲鉾を冷凍するのはNGです。
板が防熱剤になって板と接触している部分が凍るのを妨げます。場合によっては芯のほうが凍っていなかったなんて事態も起きかねません。
蒲鉾を薄く切る
蒲鉾を薄く切れば熱が通りやすくなります。
この写真はまだ厚めですがもっと薄く切ってひとつずつラップをして冷凍するのがおすすめです。
蒲鉾を瞬冷する
蒲鉾に限らず食材全般を瞬冷する秘密兵器をご紹介しましょう。
瞬冷の秘密兵器は金属製のバットです。高校生が甲子園で振ってるやつじゃありませんよ(をい)。
使い方はこんな感じ。
- 金属製のバットを冷凍庫に入れて予めキンキンに冷やしておきます。
- そこに薄く切ってラップに包んで蒲鉾を重ならないように手早く並べます。
- 速やかに冷凍庫の扉を閉めます。
- 蒲鉾が凍ったらジップロックに詰めて臭いガード対策をしてから冷凍庫に戻します。
金属は非常に熱伝導が良い素材なので速やかに蒲鉾をマイナス温度の世界に持っていってくれます。
ポイントは手順2.でバットを取り出すのではなく冷凍庫に入れたまま手早く蒲鉾を並べること。
バットを外に出してしまうとせっかく冷えたバットが温まってしまいます。
冷凍蒲鉾の使い方
とはいえ、冷凍した蒲鉾はどうしても「す」がある程度は立ってしまうので食感が悪くなっています。
なので、冷凍した蒲鉾は生食にはあまり向きません(味が悪くなっているわけではないのですが)。
煮物や炒め物など火を通す調理に使うのがおすすめです。
逆に「す」が立つことで表面積が大きくなりますので煮物に使えば味しみがよくなるというメリットもあります。
煮物に使う場合は凍ったまま鍋に放り込んで使うこともできますよ。
いやいや、蒲鉾本来の味が好きなので料理の具にはしたくないんだという方にオススメのテクもあります。
魚焼きのグリルかオーブントースターで軽く蒲鉾を焼いてください。
軽く焼き目の付いた蒲鉾は食感もだいぶ戻って結構イケると僕は思っています。
それでは良い蒲鉾ライフを。