ネットの掲示板でこんな悩み相談が投稿されていました。
私はレシピを見ないと料理が作れません。なのでレシピに書いてある材料をそろえないと料理にかかれません。
冷蔵庫の中にあるありあわせの材料でオリジナルの料理を作れるようになるにはどうしたら良いでしょう?
うーん、わりとありそうな悩みですね。ていうか、これは悩みなのでしょうか?
昭和の昔なら都度、料理本を買ってこないとレパートリーが広がりませんし本代も馬鹿にならないという悩みになったかもしれません。
けど、今はインターネットにレシピ情報が氾濫している21世紀です。一生かけたってネット上の全てのレシピを使い尽くすことは到底できません。だったら都度、新しいレシピを見ながら新しい料理を作れば良いじゃんって気もするんですけどね。
ま、その意見は悩んでいる人には薄情が過ぎるので例えばどんなアドバイスができるだろうとちょっと考えてみました。
レシピを見て料理することは恥ずかしくない
まず、「レシピを見て(見ながら)料理をするのは恥ずかしい」という変な思い込みは止めましょう。
「だって、プロの人や料理が上手な人は何も見なくても料理ができるじゃん」
あなたはそう言うかもしれません。
けどね、プロは同じ料理を何千回も作っているから暗記してしまっているだけ。あなただって同じレシピの料理を何千回も作ればそのレシピを見なくても作れるようになりますよ。
料理に限らずどんなことでも『開き直る』ということはとても大切です。開き直りは思考をポジティブに切り替えてくれますし、狭窄していた視野をぱあっと広げて新しい道を指し示してくれます。
「けど、わたしはレシピを見ないでも料理ができるようになりたいの」
と、あなたが思うならこれから書く3つのステップを実践してみて下さいな。
レシピを暗記してから料理にかかろう
まずは、レシピを暗記してください。
はい、そこのあなた「えーっ」とか言わないの
暗記すると言っても一言一句丸暗記する必要はありません。要は材料表に書かれている食材と調味料の分量と手順を頭に入れればOKです。
それにね。だいたい一般的な家庭料理のレシピなんてたかだか数工程、本格的なフレンチの十数工程に渡るレシピに比べたら暗記なんて軽い軽い。
レシピを暗記するメリットはいくつかありますがこのケースで特に効果を発揮するメリットは「体が調理工程を覚える」ということだと思います。
小学校の頃にやった九九の暗記を思い出してください。カードの裏に答えが書かれた暗記カードを使われていた方もいらっしゃると思うのですがその暗記カードが手放せないうちはあなたの九九のスキルは実際の計算に役立っていたでしょうか?
カードを手に持っているとついついめくってしまって答えを見ちゃうことはありませんでしたでしょうか?(僕はわりとそうでした“:)
で、思い切って暗記カードを手放してしまって頭の中で
「ににんがし」
「にさんがろく」
と反復しだして初めて九九は実際の計算に活用できるようになったんじゃないでしょうか。
同じことは料理でも言えてレシンピが手元にあると調理の途中でついつい手を止めて見ちゃうものです。まずはこのクセを止めましょう。
そして料理にとりかかる前に「今から自分がすること(調理の流れ)」をきっちり頭に入れてしまいましょう。あとは、調理が終わるまではレシピブックやスマホは見ないこと。それくらいの繋張感を持って調理すれは早晩、あなたはその料理をレシピを見なくても作れるようになります。
それにね、レシビを暗記していると驚くほど段取りが良くなって調理時間がうんと短くなるんですよ。だって、次に何をするのか、その次は何をするのかが頭に入っているのですから先読みをして準備をしたり手が勝手に動いてくれるようになります。
もし、「レシピを暗記していないあなた』が『レシピを暗記しているあなた』と料理勝負をしたら絶対に「暗記しているあなた』が勝つに決まっているのです。
同じレシピで料理を反復しよう
再び九九の暗記を思い出してください。2つ質問をします。
質問1:あなたは一度で九九を丸暗記できましたか?
質問2:あなたは今、九九が言えますか?
まあ、ほとんどの人がこう答えると思います? じゃあ、あなたはどうやって九九を言えるようになったのでしょう?
そう、縄跳びの練習といっしょ。反復するしかないのです。逆に言えば反復していさえすれば別に特別な努力をしなくてもあなたはレシピを見ずに料理を作ることができるようになります。
それにね、同じ料理を繰り返し作っているといろいろなことが見えてきます。
- 1人前で使う調味料の量はどれくらいであるべきか
- どんな調味料を使うとどんな味付けになるか
- その料理を作るにはどんな手順を踏む必要があるのか
- どういう段取りで調理すればその料理を手早く作れるようになるのか
こういった小さな気付きが料理を応用する種になるのです。
「冷蔵庫に鶏肉がある。いつものあの料理は魚を使っていたけど鶏肉で試してみたらどうだろう?」
これが料理をアレンジする第一歩なのです。
まあ、毎日毎日同じ料理ばかり作っていたのでは飽きますし、家族からブーイングを浴びるかもしれませんが、気に入ったレシピができたらちょくちょく思い出したように反復してみてくださいな。
新しいレシピを見つけて新しい料理に挑戦し続けよう
そして、同じレシピを反復するだけでなく新しいレシピを見つけては新しい料理に挑戦しましょう。
一度も作ったことがないレシピを前にした時、あなたは尻込みするかもしれません。けど、何を怖がっているのでしょう?
別に取って食われるわけでもありますまいに。
そう、あなたが怖がっているのは「失敗」ですね。上手くできなかったらどうしようと尻込みしているわけです。
けどね、よく考えて下さい。
あなたは料理店のオーナーでもなければその料理は店で客に出すものでもありません。
何かを賭けて料理勝負に挑むわけでもありません。
たかが夕飯のおかずを作っているだけ。失敗してもそれを食べるのは他ならぬあなたなのですから怖がるのは無意味です。単にちょっとまずい料理を食べるハメになるだけのことじゃないですか。
それにね、失敗は成功よりずっといろいろなことを教えてくれる先生なのです。なぜ失敗したのか? 何がまずかったのか?それを考え続ければ次は上手に作れるようになります。
但し、後悔するばかりで何も考えなければ(反省しなければ)、いつまで経っても上手にはなれませんのでご注意を。
そして、新しい料理に挑戦することであなたの料理のレパートリーは増えるだけじゃなく、その料理を反復すれば……
- 1人前で使う調味料の量はどれくらいであるべきか
- どんな調味料を使うとどんな味付けになるか
- その料理を作るにはどんな手順を踏む必要があるのか
- どういう段取りで調理すればその料理を手早く作れるようになるのか
という知識がまた得られてアレンジの幅は更に広がっていくわけです。
まとめ
ということであなたがレシピを見ずに料理ができるようになりたいと思っているならばやるべきことは3つあります。
- レシピを暗記してから料理に取り掛かること
- 同じレシピの料理を何度も反復して作ること
- 失敗を恐れずに新しいレシピ、新しい料理に挑戦し続けること
そしたらあなたは知らず知らずのうちにレシピを見なくても料理ができるようになっていますよ。
2019/11/20 Wed.