職場のコミュニケーション活性化を目的として、ゲームイベントをすることになりました。
そういう行事を業務時間内にやっちゃうあたり大らかというか、僕は好きだな。
内容は多数決で「チーム対抗 ウミガメのスープ問題に挑む」になりました。
これは『二十の扉』に似たゲームで、提示された不可解なシチュエーションにYes or Noで答えられる質問をしていって真相を言い当てる遊びです。
表題作になった問題はこんな感じ。
レストランでウミガメのスープを注文した男が一口飲むと怪訝な顔になって店員に尋ねる。
「これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい、間違いございません」
男は帰宅すると自殺した。 なぜか?
興味のある方は本家サイトを覗いてくださいな。
で、運営委員を買って出たのでただいま問題を考案中。
一見、問題を考えるのって難しそうに思えますけど、実はある種のミステリーのジャンルとウミガメのスープの問題って似通っているところがあるんですよね。
だから、身もふたもないことを言ってしまえば、ズルをしてマイナーなミステリーの作品群からアイデアを拝借すれば問題は無限にできちゃいます(をいをい)。
そのミステリーのジャンルとは「叙述ミステリー」と呼ばれるもの。これのアイデア出しの方法を知ってしまえばウミガメのスープの問題はわりと簡単に考案できちゃうのです。
ということで、飲み屋で披露すれば女の子にモテること間違いなしの(ホンマか?(^^;)『ウミガメのスープ問題』の作り方を紹介します。
叙述ミステリーの作り方
それが、全てではないのですが「ウミガメのスープ」シリーズの問題はミステリー小説でいう叙述トリック(言い回しで読者を錯誤させるトリックで、一般には作中の犯人ではなく作者自身が仕掛けます)に相通じるものが多数あります。
で、叙述トリックの1番シンプルな組み方ですが、5WのうちWhyを除く4つのWについて読者(=回答者)に思い込みを持たせることでミスリードを誘います。たとえば……
who
くだんの人物は、外国人だった(日本語がわからなかった)、幼稚園児だった、80歳の老人だった、相撲取りだった、合衆国大統領だった、男だと思わされていたがじつは女だったなど
where
その場所は、タワーマンションだった(ベランダがない、窓が開かないなど)、富士山の頂上だった、原子力潜水艦の中だったなど
when
それが起きたのは、江戸時代だった、閏年の2月末日だった、Aの出来事とBの出来事は続けて起きているように見えたが実は2年の隔たりがあった、A→Bの順に起きていたと思わせておいて実は起きた順序が逆など
what
彼が身に纏っていたのはメイド服だった、それは長さ3メートルもある鉛筆だった、その料理には味が付いていなかったなど
これらを問題の核にすれば解決を阻む障壁になります。
あとば問題を膨らませて、そこに障壁があることに気づかせないようにすれば問題の出来上がり。
核は単一で使っても良いですし、複合させるのもありです。
たとえば、「彼が身に纏っていたのはメイド服だった」は突飛過ぎて単一では良問になり得ませんが「where:そこはコミケの会場だった」と複合させれば誰も彼のことを気に留めなかったとしてもリアリティが出ます。
こういう問題を作るのは湯船にでも浸かりなら気楽に考えるのがオススメ。
人はリラックスしている時の方が突拍子もないことを思い付くそうです。
奇抜な発想の鍛え方
とはいえ、とっかかりになる奇抜な発想が思い浮かばないと前に進めないのも事実。
これはちょっとした習慣というか日常の訓練みたいなものがやっぱり必要です。
僕は普段から見慣れた景色が目に入った時に「もし、これが××だったら?」と空想するクセがあります。
例えば、朝、通勤で駅に向かう途中。眼の前に数人のサラリーマンや学生が歩いているとします。
いつもと変わらない朝の風景なのですが、もしこれが……
全員、女性だったら?
既にかなり異常な光景です。おっさんがひとりもいなくて女の人ばかりというのは少なくとも何十年もお目にかかったことがありません。ただ、まだ許容範囲の異常さかな。
全員、幼稚園児だったら?
一瞬、遠足かなとも考えますが、そのわりにはつるむでなく皆別々の目的を持って歩いているように見える。そんなの見てしまったら回れ右して家に帰りたくなるかも(笑)
全員、よぼよぼのおじいさんだったら?
全員、外国人だったら?
全員、相撲取りだったら?
全員、色違いの同じスーツを着たOLだったら?
半ば無意識のうちにそんなことばかり考えてるんですね。
で、面白いネタを見付けたらメモしておく。こうして日々、小説の種が僕のネタ帳に溜まっていくのです。曰く
いたら面白い。猫舌のドラゴン
ひとりメル友
自分のPCから自分のスマホにメールを送る、それを読んで返信を自分のPCに返す。
って、イタ過ぎるだろw
パクった作品がそもそもパクり作品だったら?
更生刑
刑務所には入れない。
ただし、刑期(二十年とか三十年とか)の間は一切の犯罪には手を染められず模範的社会人として生きることを強いられる。反すれば無期懲役。
ただの人探しの依頼かと思ったら、復讐のターゲットを探していた
なんてね。
ちょっとした趣味みたいなものですが、空想するのはタダ。なんて安上がりな趣味なんだ。
とまれ、発想力は1日にしてならず。
日々、訓練あるのみです。
しかし、猫舌のドラゴン。火を噴く時にどうするんでしょうね。
ウミガメのスープ問題(実践編)始めました
問題の作り方のコツだけ書いて、例題のひとつも書かないのもどうかと思いますので、僕が考案した例題を提示してチャットルームでゲームを楽しめるコーナーを作ってみました。
【追記】(2020/09/07)
実践編、[問題1]に解決のヒントを追記しました。今すぐアクセスせよ。