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厨房日誌

非常識な尺度

何年か前、ネットのニュースでとある女性達の会話が話題になりました。

発端は喫茶店かどこかでギャル風の女子2、3名がおしゃべりしているのを耳にした人がツイッターに呟いたこと。会話の内容はこんな感じ。

「カレシがさあ、日本電気とかいう聞いたこともない会社に就職決まったっていうんやんか」

「何それ? 電気屋か何か? うちも聞いたことないわ」

「んでな、そっこー振ったった」

「それで正解ちゃう?」

このツイートが拡散するにつれ、ネットの検索ランキングで唐突に「日本電気(NEC)」というワードがトップに躍り出たとか^^;

ネットのつぶやきや書き込みを見ていると投稿者が常識知らずなだけの不当なコメントをよく見かけます。

「俺が知らないんだから、それは常識でもなんでもない」みたいなとんちんかんな意見なのですが、いやいやちょっと待てと言いたくなりますね。

もっと怖いのはそれに同調して、「そうだそうだ。俺も知らん。そんなのを常識として押し付けるなよ」みたいな意見が増殖してるのを見たときかな。

だからちょっと待てってば、君の非常識をこっちに押し付けるなよ。と言いたくなります。

何年か前にバラエティー番組で、道を教えてくれたおじいさんが「そこの丁字路を右に曲がって」と言ったところでスタジオが爆笑するという椿事がありました。

「T字路がなまってるよw」というノリだったみたい。

親切に道を教えてくれたおじいさんを揶揄する不届きを非難するのは置いておいても(いや、置いておいちゃだめだけど)、誰一人として「T字路」に異を唱える人がいなかったことに嘘寒いものを感じます。

この写真の形態の道路の正しい呼び方は「丁字路」。「T字路」というのは英語が日常に浸透してきてから後付けで作られた造語です。

けど、おじいさん以外誰もそれを知らなかったことで常識が非常識に凌駕されちゃったんですね。コワイコワイ。

そういえば、人気コミック「ザ・シェフ」にもそんな話がありました。

メニューに書かれた「タルタルステーキ」というのをオーダーした客が出された料理を見て「なんだこれは? ステーキじゃねぇじゃねぇか」と文句を言う話です。

タルタルステーキというのは牛肉のタタキのような料理で確かに我々がステーキと聞いて思い浮かべる料理とはかなり違います。

思うにこのお客は知ったかぶりをして(タルタルステーキがどんな料理か知っているフリをして)いきなりオーダーするのではなく、店員に一言どんな料理か聞くべきだったのではないでしょうか?

誰しも自分が知らないことはあります。

知らないことは知ろうとすれば良いのであって、そうやって人は常識を身につけていくのだと思うのです。

それを、知ろうとしないばかりか、自分が知らないことは他の人も知らないことなどと非常識な尺度で計って揶揄する風潮は如何なものかと思います。なにより、折角の常識を身につけるチャンスを逃しているのが勿体ない。

けど、間違いなく僕もあなたもどこかで似たようなことをしてしまっているに違いありません。

Think before you speak. Read before you think.(口にする前に考えろ。考える前に(拠り所となる書を)読め)

肝に銘じたい言葉だと思います。

2020/03/04 Wed.

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