世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。
巷間に福沢心訓として知られる七箇条の教訓です。
福沢諭吉が記したとされていますが文体が明らかに昭和の現代文でもあり今では福沢諭吉作ではなく作者不詳とするのが定説になっています。
が、どの教訓もなかなか含蓄に富んでいてあやかるべき訓示になっているんですよね。
自分の名前で発表したらよかったのに > 作者。
全条は「世の中で一番○○な事は」で始まるように統一されていますが三条にはこう書かれています。
「世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。」
これって定年退職などで仕事をリタイアした人にはなかなか応える一文かも。
さびしいかどうかは置いとくとしても「ヒマ」でしかたがなくなることは必定。
で、ヒマが高じるとヒマつぶしがしたくなるのは人情というものでしょう。
お菓子の缶に入っている梱包材のプチプチをひとつひとつ潰していくという意味のない行動を熱心にやった覚えがある人も少なからずいるんじゃないかしらんw
巷で流行るソシャゲも電車で移動する10分くらいのヒマな時間を「さびしい」と感じる人たちに支えられているような気がしてなりません。
1980年、雪印から変なチーズ商品が発売されました。
その名も「ストリングチーズ」。
引っ張ると糸状にチーズが裂けるのが面白いんじゃないかなぁという遊び心から生まれた商品です。
出た当初は単なるネタ商品だろうと僕は睨んでいたのですがその後1995年に「さけるチーズ」と改名。
2025年に至る今もラインナップを6種類(プレーン、スモーク、とうがらし、ローストガーリック、バター醤油、コンソメ)に増やしながら愛され続けているロングセラーになっちゃいました。
確かにあのチーズを裂いているといくらでもヒマな時間が潰せるんですよね。
よほど世の中には「ヒマでさびしい」と感じる人が多い証左になっているのでは……をいw
そういう人にはぜひこのカレー作りの手伝いをしてほしいものです。
茹でたささみをさけるチーズよろしく細かく裂いて具材にすることでささみ1本で2人前のカレーが作れちゃう優れものなのですが如何せん、ささみを裂く作業が面倒。
どこかにさけるチーズ・マニアな人はいないものかしらん。
【材料】(2人分)
-調理時間:16分-
- ささみ:1本
- じゃがいも:1個
- 人参:3cm
- エリンギ:半本
- 生姜スライス:2枚
- 水:200g(カップ1)×2
- カレールウ:1/4箱
- 鶏がらスープの素:小匙1/2
【作り方】
- エリンギを細切りにします。ささみは筋取りをして観音開きにします。生姜は千切りにします。
- 鍋に水200gとエリンギ、生姜を加えて蓋をし、強火で1分半加熱します。蓋を取ってごく弱火にし、ささみを加えて蓋をせずに10分煮込みます。 ※エリンギは70~80度で旨味成分が一番抽出されやすくなります。70度まで強火に一気に上げて弱火で時間をかけて温度を上げていくのが旨味を挽きだすコツです。
- 2.をやっている間にじゃがいもは皮を剥き食べやすい大きさに切ります。人参も食べやすい大きさに切ります。
- 2.からささみを取り出して粗熱を取り細かく裂きます。
- 4.の鍋にじゃがいも、人参、水の残り200gとカレールウを加えて5分煮込みます。
- 5.にささみと鶏ガラスープの素を加えてさらに5分煮込めばできあがり。
【一口メモ】
- ささみは細かく裂くと無限にボリュームアップするのでツナカレー同様、2人前にしても具材の遍在感がハンパないです。ささみ1本で2人前作れるというのはかなりコスパの良いレシピだと自画自賛w
- ささみが淡白なので風味はやや和風に寄せた方が似つかわしい気がして針生姜を合わせてみました。手持ちがなければおろし生姜のチューブを使ってもOKです。
- 他にごろごろした具材もないとさびしいかなと思ってじゃがいも、人参を加えましたがこれらを抜いてシンプルにささみオンリーと言うのもありかも。代わりにピザ用のチーズを加えると風味が変わってまた楽しいですよ。