美味しんぼに出てくる料理ではちょくちょく卵白が迫害されます。
「卵は黄身が旨い。なら黄身だけを使えば良いのだ」
なんて海原雄山(主人公のお父さんで料理版星一徹みたいな人)は言い放ちますが残された白身の立場はどうなるのさと思ってしまいます。
カルボナーラを作る時も全卵を使うとソースが水っぽくなると言って黄身だけを使っていましたがあれは白身を捨てちゃってるんだろうな。
確かに卵黄の濃厚な旨味は卵を食べる醍醐味です。
それに比べて白身は淡白でなんか「いらない子」感がにじみ出ている感じ。
けどね、その淡白な軽やかさを活かした料理だってあるんですよ。
シフォンケーキがでっかく膨らむのも白身を泡立てた時の気泡がしっかりしていて空気を閉じ込める風船の役割をするからです。
マカロンなんて白身の塊で白身がなければ始まらないお菓子です。
そして揚げ物。
メレンゲに仕立てた白身を使うと普通の天ぷらでは得られない軽やかな食感が得られます。
この卵白を衣に使った揚げ物、フリッターを考案した人は天才だな。
【材料】(2人分)
-調理時間:12分-
- 鶏むね肉:1枚
- 揚げ油:適宜
[衣パート]
- 卵白:1個分
- 塩:1g
- 片栗粉:18g(大匙2)
- (あれば)ビール:15g(大匙1)
[ソースパート]
- マヨネーズ:12g(大匙1)
- トマトケチャップ:7.5g(大匙1/2)
- おろしにんにく:ひとかけ分
【作り方】
- 揚げ油を170度に温めます。鶏肉は一口大にそぎ切りにします(揚げると肉は縮んで小さくなるので大きめに切ります)。
- 油があたたまるのを待っている間に待っている間に[衣パート]の卵白と塩をボウルに入れて角が立つまで泡立てます。これに[衣パート]の残りを加えてよく混ぜ、鶏肉を加えて漬け込んでおきます。
- 油が温まったら2.を大きめのスプーンで卵白ごと掬って油に投入します。この際、スプーンに残っている卵白も肉の上に落として衣を厚くしましょう。そのままいじらずに1分半待ってひっくり返し更に1分半待てばできあがり。[ソースパート]を合わせてよく混ぜそれを添えて供します。(マクドナルドのチキンナゲット風の供し方ですね) ※揚げ種は一度にたくさん入れると油の温度が下がってしまいます。数個ずつ何回かに分けて揚げましょう。
【一口メモ】
- ふわっとしてサクッとした衣の食感が楽しい一品です。ソースのにんにくが食欲をそそりますよ。
- このレシピの段取りポイントは揚げ油が温まるまでに揚げ種の支度を済ませること。およそ2、3分でかなりせわしないですが頑張ってください。
- 影の立役者はビール。ガスをたっぷり含んだ炭酸水は蒸発する際に衣に空洞を作ってくれます。なのでサクサク感が増すのです。
- フリッターは揚げ温が重要です。一定以上に高い温度をキープしないとせっかくの衣がしぼんでしまいます。工程3.では一度に揚げるのは数個まで。たくさん入れて油の温度を下げないようにしましょう。