僕には妹が2人おります。
そのせいもあって小中学校時代、僕は少年漫画より少女漫画をよく読む子供でした。
昭和40年代の少年漫画って下ネタギャグマンガ全盛の頃で僕的には何が面白いのかわからなかったというのもあります。
けど、それ以上に少女漫画の高度なストーリー性やキャラクタ造形の魅力にハマったというのが主因だった気がするな。
三原順の「はみだしっ子」などは没入するように読み耽りました。
その頃、気に入った作家に川崎苑子さんという方がいて代表作「土曜日の絵本」はなけなしの小遣いからコミックスを買いそろえた稀有な作品でした。
点描を主体とした柔らかいタッチがなんとも優しくて、主人公たち4人の小学生が生き生きと描かれた佳作ですよ。
彼女の作品の中に「麦子さんの時間割」というのがありました。
女子高生の日常を描いた作品でそこに恋愛のエッセンスがちょっぴりプラスされた感じ。
読むと元気がもらえたな。
同作のエピソードに主人公がおニューの(ってこの言葉は死語かw)ワンピを着て出かけたら親友が連れていた小学生の妹が同じデザインのワンピを着ていて驚愕するという話がありました。
「あのお店の人、このデザインは限定品だって言ってたのに」
子供服でも出してるんじゃんと主人公は怒ります。
すると親友が「いえ、そうじゃないの」と取りなします。
「お店で見かけて素敵だなと思ったんだけど高かったから……」
自分で生地を買ってきて縫ったの。
絶句する主人公。
そう洋服ってお店で買うと高くつく。
だから布を買って自分で縫えば良い。
そういう時代でしたね。
料理でも同じようなことが言えます。
デパ地下をめぐっていて、「お、これは美味しそう」と思っても100gで500円みたいな値札が付いていると引いてしまいます。
けどね、たとえばこの小鉢料理、鶏肉の心臓なんて原価はむちゃくちゃ安いのです。
それに安物の赤ワインをプラスすれば、デパ地下風お惣菜のできあがり。
今夜の晩酌は一味違いますよ。
【材料】(2人分)
-調理時間:8分-
- 鶏ハツ(心臓):100g
- 生姜スライス:2枚
- セロリの茎:3cm
- オリーブオイル:4g(小匙1)
[調味料パート]
- 赤ワイン:50g(カップ1/4)
- バルサミコ酢:7.5(大匙1/2)
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- はちみつ:7g(小匙1)
【作り方】
- 鶏ハツは半分に切り血の塊を取り除きます。生姜とセロリはみじん切りにします。
- フライパンに生姜、セロリ、オリーブオイルを入れて中火にかけます。香りが立ってきたら鶏ハツを加え色が変わるまで炒めます。
- 2.に[調味料パート]を加えて絡めながら炒め、水気がほぼなくなってとろみが付いたらできあがり。 ※煮詰めすぎると焦げるので注意。
【一口メモ】
- 赤ワインの香りが鼻腔をくすぐって洋食を食べているという実感を味わえます。鶏ハツというと醤油ベースで甘辛く煮た居酒屋メニューをイメージしちゃいますがこれは別物ですね。
- 生姜やセロリといった香味野菜を加えることで風味にアクセントが付いて料理の単調さを払しょくできます。バジルやローズマリーといったハーブを加えても楽しいですよ。
- 鶏ハツの代わりにレバーや砂肝を使ってもOK。クセのある部位を使うのがおススメです。
- お好みで粗挽きブラックペッパーを振れば味がとがってまた面白いです。