学生時代によく通った居酒屋の冬の人気メニューは「牡蠣酢」でした。
「酢牡蠣」と呼んでいる店も多いと思うのですが、その店のお品書きでは牡蠣酢。
身がぷっくり膨らんだ大ぶりの牛窓産の牡蠣。
そして、もみじおろしと酢醤油。
頭に思い描いただけで口の中に唾が涌きます。
毎年、牡蠣のシーズンになると暖簾をくぐるなりいの一番で頼んでいたなぁ。
その後、社会人になって相応に外食を楽しむようになったおかげでいろいろな牡蠣の食べ方を覚えました。
昆布〆の焼き牡蠣。
牡蠣のしぐれ煮。
牡蠣のワイン蒸し。
岩牡蠣のグラタン。
どれも美味しいのですが未だに僕の牡蠣料理の原点は牡蠣酢なのです。
そういえば長女が生まれる少し前、夫婦そろって生牡蠣に当たりましたっけ。
家人はそれ以来決して生牡蠣を食べようとしませんが僕は「30年近く生きてきて初めて牡蠣に当たった。なら次に当たるのは60を過ぎてからだろう」なんて無根拠な理屈をこねて相変わらず平気で牡蠣を食べています。
過日、加熱用の牡蠣を購入。
しぐれ煮にでもするかなと思っていたのですがふと思ったのです。
そろそろ生牡蠣に並ぶ美味しさの牡蠣料理を探求しても良いのでは?ということで少し気合を入れてフレンチに挑戦しました。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- 牡蠣:数粒
- 白ネギ:10cm
- 茸:2、3種類(今回はエリンギとしめじ)
- サラダ油:適宜
- 塩:適宜
- バター:6g(大匙1/2)
- チキンブイヨン:30g(大匙2、なければ水30gに鶏ガラスープの素2gを溶いたもの)
[ガーリックオイルパート]
- オリーブオイル:12g(大匙1)
- にんにく:ひとかけ
【作り方】
- [ガーリックオイルパート]のにんにくをみじん切りにしオリーブオイルと合わせて漬け込んでおきます。
- 牡蠣は流水でぬめりを洗い落とします。白ネギは5mm厚の斜め切りにします。茸は食べやすい大きさに切ります。
- フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ白ネギを焼きます。しんなりしてきたら牡蠣を加えて塩をひとつまみほど振り30秒炒めます。これを一旦取ります。
- 3.のフライパンを洗わずにバターとサラダ油を加えて中火にかけます。これに茸を加えてしんなりするまで炒めます。
- 4.に牡蠣、白ネギを戻し[ガーリックオイルパート]を加えて1分ほど炒めます。更にチキンブイヨンを加えて水気がなくなるまで炒めればできあがり。
【一口メモ】
- 牡蠣の風味が前面に押し出される一皿です。にんにくの風味が利いていてちょっとエスカルゴっぽい味わい。なかなか新鮮な牡蠣料理でした。
- 茸はできれば複数種類使うことで風味が複雑になります。種類によっても風味ががらりと変わりますのでいろいろ試してみてください。
- 味付けは塩のみなのでできれば良い塩を使ってください。段違いに差が出ます。
- ガーリックオイルは漬け込んで2、3週間は保存が利く万能調味料です。作り置きしておくと便利ですよ。配合はオリーブオイル100mlに対してにんにく1/4玉くらい。漬け込んだら冷蔵庫で保存してください。
- 仕上げに白ワインを振ってアルコールを飛ばすと香りがぐんと良くなります。