三丁目の夕日の舞台だった昭和30年代頃まで、食材や調味は量り売りでした。
酒や調味料は自前の一升瓶などを持ち込んでそれに入れてもらっていて、お肉もショーケースを覗いて「これを200グラム」とか言うと重さを計って紙に包んでくれていました。
それが一変したのはスーパーマーケットの登場でしょう。
酒や醤油は最初から決まった重さが瓶に詰められて並ぶようになりましたし、お肉も適当な重さづつパックに入ってラップがかけられるようになりました。
いつのまにやらお肉や魚がパック売りされているのが当たり前で僕らも慣れ切ってしまっているのですが買う側からすると丁度良い重さのものがなくてついつい余分に買ってしまうことが多いんですよね。
鶏モモ肉や胸肉なら1枚、2枚という個数単位で買うのでそれほど不満はないのですがスライスしたお肉のように重さが自由に調整できるものではちょっと不満。
100gでは少なすぎるし300gでは多すぎるという家族構成のご家庭には不便なものです。
関西に戻ってしばらくした頃、この不満を解消してくれる素敵なお店を見つけました。
それは商店街にある昔ながらのお肉屋さん。
ショーケース越しに「このお肉を〇グラムください」というと秤で計って包んでくれます。
ちょっと少なめの量で注文すれば同じ料金でいろいろな部位のお肉が買えるのも嬉しい。
慣れてくると1週間で使い切る量がわかってくるので無駄のない買い物ができるようになりました。
しかも精肉業者から直販してもらっているのか、お値段も総じて安めなので財布に優しくていうことなし。
おかげさまで今まではあまり買うことのなかった牛肉も我が家の冷蔵庫の常連になっていおります。
それを使った料理のレパートリーもずいぶん増えました。
週末、ちょっと居酒屋っぽい料理が食べたいなと思い立ってこんな料理を作りました。
その際に先週の残りの牛肉を使い切るなんてのも日常の風景になっています。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- 牛バラ肉スライス:150g
- こんにゃく:半丁
- 生姜:スライス1枚
- 白ネギ:5cm
- 七味唐辛子:適宜
- ごま油:4g(小匙1)
[煮汁パート]
- 水:100g(カップ1/2)
- 赤みそ:12g(小匙2)
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 酒:20g(大匙1+小匙1)
- 味醂:18g(大匙1)
- ざらめ:5g
- はちみつ:5g
【作り方】
- こんにゃくは大き目のスプーンでそぐように一口大に切り沸騰したお湯(分量外)で5分茹でてあく抜きし、ざるに揚げて湯切りをします。(パッケージに「あく抜き不要」と書かれている場合はこの工程は飛ばしてOKです)
- 1.をやっている間に牛肉は食べやすい大きさに切ります。生姜は千切りにします。白ネギは薄く斜め切りにします。
- フライパンにごま油と生姜を入れて弱火にかけます。香りが立ってきたら牛肉と白ネギを加えて中火にし、肉の色が変わるまで炒めます。更にこんにゃくを加えて30秒ほど炒めます。
- 3.に[煮汁パート]を加えてひと煮立ちさせます。アルミホイルなどで落し蓋をして弱めの中火で10分煮込めばできあがり。器に盛って七味唐辛子をかけて戴きます。
【一口メモ】
- 濃厚な味噌味が食欲を刺激します。肉じゃがなどの醤油系とはまた違った味付けで目先が変わって楽しいですよ。
- 時間に余裕があれば工程4.で火を止めた後、そのまま自然に粗熱を取って食べる直前に火にかけて温めてから器に盛ってください。煮含められて味の沁み具合が格段に良くなります。なので夕飯の支度をするなら一番最初にこの料理を作るのがおススメです。
- はちみつ、ざらめの手持ちがない場合は替わりに砂糖を6g(小匙2)加えてください。ただ、コクが断然違ってくるのでできればはちみつ、ざらめを使ってほしいな。
- お好みで細切りにした人参やキノコ類などを加えても美味しいですよ。