映画などのレビューサイトを覗いてみると不思議なことに気づきます。
なぜか低評価な人ほど居丈高で上から目線の論調。
長々とその作品の悪いところをあげつらった挙句──高評価を付けている人の感性を疑うなんて書いている人もいたりします。
なんか不思議ですよね。
同じお金を払って映画を観に行ったのなら「面白かった! また観たい」って感じた人が勝ち組で「つまんなかった」と思った人は払ったお金の対価(=感動)を得られなかった負け組のはずです。
なのに、何を勝ち誇っているんだと(笑)
料理の世界でも似たような現象はあります。
ファストフードやインスタント食品をジャンクフードの一言で切り捨ててその料理に込められた創意工夫に目を向けない人。
あまりにも作った人へのリスペクトが足りないんじゃないかな。
というか彼らの苦労を想像する力が足りないようにも思えます。
もしかして、ファストフードやインスタント食品は思い付きで適当に作られた商品だとでも思っているのかな。
僕が社会人になってわりとすぐの1989年、マクドナルドからテリヤキバーガーがリリースされました。
マヨネーズの酸味が利いた甘酸っぱいソースが鮮烈だったなぁ(手がベタベタになるのが玉に瑕だったけど)。
あれも世に出るまでには試行錯誤があったそうです。
考案したのは米国本社に所属したフランス人シェフ。
日本人に親しみやすいハンバーガーというコンセプトから照り焼きという風味をチョイスしたとか。
リンゴのピュレをベースにしたソースを作り、様々な具材と合わせて相性を探り、最終的にたどり着いたのがポークのパテだったとか。
味がくどくならないように酸味を強く調整したマヨネーズを合わせたりバンズにタレが沁み込み過ぎないようにレタスを多めにしたり、あの小さなハンバーガーに彼の努力と創意工夫がギュッと詰まっているのです。
それを知ってしまえばジャンクフードとか言って馬鹿にすることはできないでしょう。
同じ照り焼き風味の料理をお弁当のお菜に作りながらそんなことを考えておりました。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 鶏むね肉:半枚(約150g)
- 片栗粉:6g(小匙2)
- 塩、ブラックペッパー:少々
- サラダ油:48g(大匙4)
- 白ごま:適宜
[調味料パート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 酒:10g(小匙2)
- 味醂:18g(大匙1)
- 酢:5g(小匙1)
- 砂糖:6g(小匙2)
【作り方】
- 鶏むね肉は食べやすい大きさに切って塩、ブラックペッパー、片栗粉をまぶします。 ※皮はお好みで付けたままでも良いですし剥がして別の料理に使ってもOKです。
- 1.をやっている間にフライパンにサラダ油を入れて強火で2分ほど温めます。火加減を中火にして鶏肉を加え、片面1分半ずつ揚げ焼きにします。
- 2.の鶏肉を一旦皿に取り、サラダ油をオイルストッカーに戻して[調味料パート]を加えて中火にかけます。[調味料パート]がふつふつと煮立ち始めたら鶏肉を戻して絡めながらとろみが付いて水気が少なくなるまで煮詰めます。
- 3.の鶏肉を深皿に入れて白ごまをまぶせばできあがり。
【一口メモ】
- 定番の照り焼き味は約束された黄金の味。美味しくないわけがありません。夕飯のおかずだけでなくお弁当箱に詰めても楽しいですよ。
- この料理単品だけでは味がくどくて飽きてきますので千切りキャベツやレタスなどの葉菜をたっぷりめに用意して合わせてください。
- 醤油、酒、味醂、砂糖が照り焼きの基本調味料で黄金比は1:1:1:1です。ただくどい甘さが苦手という方は味醂、砂糖の比率を少し控えてみてください。これに酢を少し加えるとさっぱり風味に味変するのでまた楽しいですよ。
- 白ごまを黒ゴマに替えるとビジュアルががらりと変わってちょっとプロっぽい見た目になります(お店で売っている照り焼きっぽくなります)。ちょっとした工夫ですがぜひお試しあれ。