大学に入って酒を飲むことを覚えた僕は先輩に教わった居酒屋に足繁く通ういわゆる飲み屋の常連になりました。
爾来、住む場所が変わったり職場が移転したりするたびに僕が最初にすることは新しい行きつけの店を探すことだったりしました。
社会人になって初めて作った行きつけは家の近所の焼鳥屋。
焼き鳥専門店を行きつけにしたことがなかったので品書きに並ぶ料理が目新しかったのを覚えています。
それまで鶏肉の料理と言われて思いつくものは唐揚げか鍋物くらい。
知っている部位ももも肉と胸肉くらい(ケンタッキーのファンだったのでこの2つは知っていた)。
鶏の内臓が細かく分類されて串焼きの種になっているということもその店で初めて知りました。
ハツ、レバー、砂肝、背肝、玉紐などそれぞれに味や匂いに個性があっておかずにするにはちょっとクセがあり過ぎる気もするのですが日本酒と一緒なら素晴らしい肴になるものばかりだと知りました。
特に僕のお気に入りはハツ──鶏の心臓ですね。
噛み締りがあって匂いがあまりなく食べ易い。
焼き鳥屋のカウンターに座ったらまずは最初に頼む串のひとつです。
過日、行きつけのお肉屋さんでハツが特売(この店は日替わりで何かしら特売をやっているのです)。
勢いで200gばかり買い込んでしまいました。
串焼きという手もあったのですがたまには違う調理法を試したくて煮物に挑戦。
レバーでよくやる甘辛の味付けをちょっとひねってこんな小鉢を作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 鶏ハツ:100g
- 生姜:スライス1枚
- 鷹の爪:半本
- いりごま:大匙1
- ごま油:8g(小匙2)
[調味料パート]
- 水:100g(カップ2)
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 酒:15g(大匙1)
- 砂糖:9g(大匙1)
- 酢:7.5g(大匙1/2)
【作り方】
- ハツは2、3等分にします。生姜は千切りにします。鷹の爪は小口切りにします。
- フライパンにごま油と鷹の爪を入れて中火にかけます。香りが立ってきたらハツを加えて表面の色が変わるまで炒めます。
- 2.に[調味料パート]を加えてひと煮立ちさせアルミホイルなどで落し蓋をして弱火で5分煮ます。落し蓋を取って中火にし、水気がほぼなくなるまで煮詰めます(焦げないよう注意してください)。生姜を加えてざっくり混ぜたら火を止めます。
- 3.を器に盛っていりごまを和えればできあがり。
【一口メモ】
- 照り焼きみたいな甘辛味なのですが酢を加えることでさっぱりとした風味に仕上がっています。ごま油といりごまの香りが楽しい一品。けど、やっぱりおかずというよりはおつまみ向きだな。
- いりごまの代わりにすりごまを使っても美味しいですよ。あと、手持ちがあれば大葉の千切りを飾って下さい。清涼な風味が楽しめます。
- ハツの代わりに鶏レバーを使っても美味しく作れます。レバーを使う場合は血抜き(何度か水を交換しながら冷水に1時間くらい浸ける)をした後、沸騰した湯に投入してすぐに火を止め蓋をして10分放置して下さい。かなり臭みが抜けます。