僕の母の里は徳島。
そのまた母の里は香川でした。
多くの家庭同様に料理は主に母が作りその母に料理を教えたのは祖母ですから僕の実家の料理は徳島的、香川的なものが多かったと思います。
友人たちに話すと信じてもらえないか気持ち悪がられるのですが僕の実家で正月に食べる雑煮は白味噌に餡入りの餅という組み合わせでした。
子供の頃から食べなれている僕からすれば普通に美味しいと感じるのですが多くの人がそれはおかしいと申します。
みそ仕立てのぜんざいだと思えば普通なのになぁ。
かように郷土料理の中にはよその土地の人が理解しがたいものや珍しがられるものが少なからずあります。
例えば母の里の徳島県の山奥、祖谷渓の名物蕎麦はつなぎが使われていません。
なので箸で手繰ろうとするとぶつぶつとちぎれるという。
知らない人が食べたらなんじゃこりゃってなるんでしょうね。
まあ、江戸黎明期の蕎麦はそういうものだったのでその時代の人なら違和感なく食べられる気もしますが。
矛盾しているようで矛盾していない事実ですが郷土料理にはそういったその土地固有の独自性がある反面離れた別の土地なのに酷似した料理が根付くこともあるようです。
恐らくその土地の気候風土や獲れる作物の類似などの条件が重なった結果、「人が思い付くことはわりと似通ってしまう」という現象が起きるのかなと推測しています。
北海道名物にちゃんちゃん焼きという料理があります。
これは鮭と野菜を焼いて味噌などで煮込んだ料理です。
そして最近知ったのですが岐阜の名物料理に「鶏ちゃん(けいちゃん)」というのがあるらしい。
これがまんま鮭を鶏肉に置き換えたちゃんちゃん焼きっぽい料理なのです。
鶏ちゃんの誕生は1950年台。
一説によるとジンギスカン料理から着想を得て生まれたとのことなのでやはり北海道的なDNAが流れているのかもしれませんね。
【材料】(2人分)
-調理時間:12分-
- 鶏もも肉または鶏むね肉:200g
- キャベツ:200g
- 玉ねぎ:1/4個
- 人参:3cm
- ピーマン:1個
- 椎茸:2枚
- もやし:ひとつかみ
- ごま油:12g(大匙1)
[調味料パート]
- 味噌:20g(大匙1強)
- 酒:15g(大匙1)
- 味醂:18g(大匙1)
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- おろしにんにく:ひとかけ分
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 鶏肉は大き目の一口大に切って[調味料パート]と合わせ冷蔵庫で3時間ほど漬け込みます。漬け込みが終わる時間に合わせてキャベツはざく切りにその他の野菜は細切りにします。
- フライパンにごま油を入れて中火にかけます。これに1.の鶏肉を[調味料パート]ごと加えて肉の色が変わるまで焼きます。
- 2.に野菜類を加えて弱めの中火にし、蓋をして5分蒸し焼きにすればできあがり。
【一口メモ】
- 味噌とにんにくの組み合わせは最強。めっちゃご飯がすすみます。ビールのおつまみとしてもぴったりですよ。
- ホットプレートを使えば熱々の料理を鍋的につつくこともできます。本場岐阜ではこちらの食べ方の方がメジャーみたい。
- 鶏肉とキャベツはデフォルトとしてそれ以外の材料はなんでもあり。冷蔵庫の中身と相談しながら決めてください。冷蔵庫の在庫をすっきりさせるのにも役立つ料理ですよ。
- 辛いのが平気な方は[調味料パート]に豆板醤やコチュジャンを加えてみてください。ピリ辛風味になって更にビールが進みます。