生卵、チーズ、さきいか、おでん、アイスクリーム……。
これらは全てとある料理に使われる材料という共通点があります。
その料理とは──天ぷらです。
いや、なんでそれを天ぷらにしようと思ったとツッコみたくなりますが世の中にはチャレンジ精神にあふれた人がいるんでしょうね。
視点を変えて客の立場で考えるとそんな変わった天ぷらを出す飲食店があったら……。
「ぜひ行ってみたい。ぜひ食べてみたい」
と思う人は案外多いかも。
その需要があるのなら他店と差別化を図るためにもいっちょ試してみるかと奮起した店主がいたということでしょう。
とはいえくせ者ぞろいの揚げ種なので調理にはいろいろ工夫が必要です。
たとえばほぼ液体の生卵に衣をまとわらせて揚げるなんてどだい無理です。
ではどうするか?
答えは『卵を殻ごと凍らせる』なんですね。
で、凍った卵の殻を素早く割って衣を付けて一気に揚げちゃうのです。
すると半熟とろとろの天ぷらができるという。
これを考えた人は凄いなぁ。
過日、鶏のハツのくにゅくにゅした食感はなんかタコに似てるなと思いましてタコわさならぬハツわさという料理を作りました。
その発想の延長線でタコの唐揚げ、タコの天ぷらがあるのなら鶏ハツの唐揚げもありなのではと思いました。
けどタコはタコという生物の身ですが鶏ハツは鶏という生物の内臓。
食感が似ているとはいえ揚げ物にするには軟らかすぎる。
ならどうするか?いろいろ悩んだ末、油の量をぐっと減らして空気に晒しながら焼く──揚げ焼きという調理法に至りました。
【材料】(1人分)
-調理時間:40分-
- 鶏ハツ:100g
- 片栗粉:適宜
- 揚げ油:36g(大匙3)
[調味料パート]
- 濃口?油:12g(小匙2)
- 酒:10g(小匙2)
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 鶏ハツは横半分に切って血の塊があれば包丁の刃先でこそいで取り除きます。これと[調味料パート]をビニール袋に合わせて空気を抜いて縛り冷蔵庫に入れて30分漬け込みます。
- フライパンに揚げ油を入れて中火にかけ170度に温めます(約1分半~2分くらいで温まります)。待っている間に1.をざるに揚げて水気を切り片栗粉をまぶします。
- 2.のフライパンに鶏ハツを入れて時々転がしながら3分揚げ焼きにすればできあがり。
【一口メモ】
- 少量の揚げ油で空気に晒しながら揚げ焼きにしているので表面がカリッと仕上がります。ただ惜しむらくはおかずにするにはちょっと量が寂しい。やはりおつまみ向けの一皿だと思います。
- このレシピではさっぱり感を前面に出したくておろし生姜オンリーにしていますがより唐揚げっぽく仕上げたい場合は[調味料パート]におろしにんにくも加えてみてください。
- [調味料パート]に漬け込む時間が面倒という方は市販の片栗粉をダイレクトにまぶせばすぐに揚げ焼きにできるので時短が図れますよ。