2024年4月。
60歳の誕生日を機に36年やってきたサラリーマン生活から引退します。
実は2023年7月から早期退職制度を利用して長期休暇を頂いているので今はすでにセカンドライフを満喫している身です。
やろうと思えば1日中部屋に引きこもりっぱなしの生活もできなくはないのですがなんかそれをやっちゃうと世界に自分一人だけになったような孤独を味わいそうでちょっとした習慣を設けました。
それは──朝のラッシュ時に40分のウォーキングをすること。
敢えて人通りが多い時間帯に駅に向かうコースを歩くルールです。
サラリーマンを引退してまでやることかいと笑われそうですがこの習慣はけっこう孤独感、孤立感を癒すのに効くんですよ。
必ず同じ場所、同じタイミングですれ違う人がたくさんいます。
彼らと僕はもちろん一面識もないのですが毎日見ていれば親近感も湧いてくるというもの。
むしろたまに見かけなかったりすると「あれ体調でも崩したのかな」なんて考えている自分がいたりします。
外の空気に触れると季節を感じられます。
マンションの中は1年中適度に温かいので今がどんな季節だったかを忘れがち。
マンションを出て木枯らしに吹かれれば今日は一段と冬らしいなと感じたり、ずいぶん暖かくなってきたなぁと春を感じたりすることができます。
そして──見慣れた街並みの中にも新しい発見が散らばっていることに気付けます。
「お、新しいコンビニができたんだな。今度行ってみよ」
「あれ、ここのマンションは外装工事を始めたんだ」
「この信号は赤になると次の青まで2分かかるから渡り切っておきたいところ」
なんてね。
少し前は駅に続く桜並木が満開で目を楽しませてくれました。
日々の生活に倦んでいる時はたいてい視野が狭窄しているもの。
「鶏肉が50グラム残っているけど主菜にするには少なすぎる。どうしたものか」
日々の暮らしに倦んでいる時は夕飯の献立ひとつ思いつけずに迷路にハマったようなもどかしさを覚えます。
そんな時におススメなのがウォーキング。
「そういえば乾燥ひじきがまだ残っていたよな。あれで煮物を作ってそれに鶏肉を混ぜるというのはどうよ」
道すがらすっかり忘れ去っていたキッチンの在庫を天啓のように思い出したりするものなのです。
ということでその日の夕飯にはちょっと贅沢なひじきの煮物が食卓にのぼりました。
【材料】(1人分)
-調理時間:40分-
- 鶏むね肉:50g
- 副食材:さやいんげん、大豆の水煮等あり合わせの野菜
- 乾燥ひじき:10g
- ごま油:4g(小匙1)
[下味パート]
- 酒:7.5g(大匙1/2)
[煮汁パート]
- 出し汁(鰹出汁):100g(カップ1/2)
- 濃口醤油:12g(小匙2)
- 砂糖:6g(小匙2)
- 酒:10g(小匙2)
【作り方】
- 鶏肉を一口大に切って[下味パート]と合わせて冷蔵庫で15分漬け込みます。ひじきは水(分量外)に浸けて戻し、ざるに揚げて水気を切っておきます。さやいんげんはヘタを取って5mm幅の斜め切りにします。
- フライパンにごま油を入れて中火にかけます。これに鶏肉を[下味パート]ごと加えて色が変わるまで焼きます。更にひじき、副食材を加えて1分炒めます。
- 2.に[煮汁パート]を加えてひと煮立ちさせアルミホイルなどで落し蓋をして弱火で15分煮こみます。落し蓋を外して水気がほぼなくなるまで煮詰めればできあがり。
【一口メモ】
- ひじきの煮物と言えば一緒に煮るのは薄揚げ、人参、大豆あたりが定番ですがお肉が入っているのはポイント高い。ちょこっとの量でもお肉が入っているだけで料理の印象が変わるものですね。
- そのままおかずとして食べても良いですがご飯に混ぜ込んで食べると即席のひじきご飯が楽しめますよ。
- お好みで七味唐辛子や粉山椒を振ると風味が変わってまた楽しいです。