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鶏肉の料理(和食)

ささみと山芋の磯部焼き

1987年3月31日。

とあるおうちの夕飯時の話題──「今日で国鉄もなくなるなぁ」とお父さんがしみじみ言うと、お母さんが「ええっ」とびっくりする一幕がありました。

翌朝、早起きしたお母さんは家の近くの線路に向かいます。

ちょうど電車が通過していくところ。

それを見たお母さんが一言。

「なんや、走ってるやん」

そんな話を、当時ラジオのお便り紹介コーナーか何かで聞いた記憶があります。

たぶん創作なのでしょうけど、なかなかよくできた笑い話だと思います。

……って、ホントになくなったらみんな困るやん(笑)

今では覚えている人も少なくなったかもしれませんが、かつて国営だった鉄道はこの年の4月1日にJRという民間会社に代わりました。

といっても運行はそのまま引き継がれましたので、利用する僕らはすぐには何が変わったのかわからなかった気がします。

この例とは真逆に、かつては当たり前だったものがなくなって、僕らの日常がたちどころに変わったと肌で感じたものもあります。

例えば蒸気機関車。

明治時代に登場したこの列車は、昭和の時代にはありふれた日常的なものでした。

ところが電化の波に淘汰されて、今ではその走る姿を見ることができません。

機関車の運行が終わった翌朝、近くの線路に走って行って、呆然と電車が通過していくのを見送ったお母さんもいたかもしれませんね。

僕はその方面であまり仕事をしたことがないので見たことがないのですが、かつて銀座には磯辺焼きの屋台が軒を連ねていたそうです。

1990年代くらいまではそれがありふれた光景で、焼けた醤油の匂いがあたりに漂っていたとか。

ところが屋台営業への取り締まりが厳しくなった影響で、そうした屋台はどんどん姿を消していき、今では見ることができなくなったという嘆きをブログなどで綴っている方もいらっしゃいます。

醤油と海苔の香りが立つ磯辺焼きには、どこかノスタルジーを感じさせるものがあります。

その匂いの思い出が、ブログを書いた方の感傷をことさら刺激しているのかもしれません。

過日、山芋とささみを使ってこんな磯辺焼きを作ってみました。

銀座の屋台で売られていたのはもちろんお煎餅の磯辺焼きで別物なのですが、焼き上がった磯辺焼きから立つ香りをかいでいると、なぜか見たことのない銀座の屋台の風景を思い浮かべてしまいました。

【材料】(1人分) 

調理時間:25分-

  • 山芋:100g
  • ささみ:1本
  • 味付け海苔:数枚

[調味料パート]

  • 塩、ブラックペッパー:少々
  • 蕎麦の返しまたは麺つゆ:大さじ1/2
  • 片栗粉:12g(大さじ1+小さじ1)
  • スライスチーズ:1枚またはピザ用チーズ15g

【作り方】

  1. 山芋は断面にフォークを刺してコンロの直火で皮をまんべんなく炙り、火から外して冷まします。待っている間にささみの筋を取り、5mm角の賽の目切りにします。
  2. 山芋が冷めたら皮付きのまま5mm角の賽の目切りにします。スライスチーズは半分に切って更に5mm幅の細切りにします。 ※炙った直後に山芋に触るとやけどをする恐れがあるので冷ましてから扱いましょう。
  3. ボウルに1.を入れ[調味料パート]を加えてよく和えます。
  4. オーブンを200度に予熱します。待っている間に天板にクッキングシートを敷きます。大き目のスプーンで3.を掬ってクッキングシートに並べます。上から味付け海苔を貼り付けます。
  5. オーブンが温まったら下段に入れ7分焼きます。ひっくり返して更に5分焼けばできあがり。

【一口メモ】

  • 醤油の香りがほんのりと立ってなんだか懐かしい味わいのある料理になりました。反面、チーズのくせのある塩気が良いアクセントになっています。オールド&ニューを感じさせる一品です。
  • お好みでマヨネーズを絞って焼いても面白いと思います。ちょっと夜店の屋台的なジャンクさを感じさせる料理になると思います。
  • 焼きあがったら粉山椒や七味唐辛子を振ったり柚子胡椒を付けたりするのもOK。風味が変わって楽しいですよ。

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