衣をつけた揚げダネをたっぷりの油で揚げる料理。
天ぷらは文化文政年間(西暦1800年前後)に発展したようです。
庶民が気軽に口にしたということは揚げ油が大量生産されて価格が下がったという背景があったんでしょうね。
元々、寿司や天ぷらは屋台料理で立ち食い蕎麦のような感覚で客がふらっとやってきてひょいひょいとつまんで駄賃を置いていくというスタイルの食べ物でした。
道具を揃える初期投資は掛かりそうですが揚げ種は安い食材で構いませんし、一度にたくさん作れて作り置きも利く案外良い商売だったのかもしれません。
ところがやがて屋台ではなくちゃんとした店を構えた専門店が登場し金持ち相手の商売を始めたあたりから天ぷらは高級料理化します。
その分、食材も高価になり揚げ方や衣も多様化して食通たちを唸らせるようになりました。
そして200年後の今では天ぷらは高級料亭で出される高価なものとチェーン店など庶民的な店で出される格安なものの二極化が進んでいるようです。
寿司もしかり、ステーキもしかり、フレンチやイタリアンなどの洋食もしかり高い店と安い店の両極端が共存する業態というのは飲食店のひとつの帰結なのかもしれません。
更に100年後。2100年頃にはどうなっているんでしょうね。
そんな天ぷらの発展の中で考案された変わり衣は数あれど海苔を衣に混ぜ込んだ磯辺揚げはごく大衆的な料理で庶民に馴染みの深いものだといえるでしょう。
とある夕飯。そんなことを考えながら鶏肉で磯辺揚げを作ってみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- 鶏むね肉:1枚
- 揚げ油:52g(大匙4)
[下味パート]
- 酒:7g(大匙1/2)
- 塩:2g(小匙1/3)
[衣パート]
- 天ぷら粉:15g+規定量の水
- 青のり:小匙1
- 鰹だしの素:小匙1/2
【作り方】
- をまぶしバットなどに入れて冷蔵庫で10分休ませます。
- 1.と並行して[衣パート]を器に合わせて冷蔵庫で10分冷やします。
- 1.、2.の完了時間に合わせてフライパンに揚げ油を入れて170度の中音に温めておきます。
- 鶏肉を[衣パート]にくぐらせて揚げ油に投入します。更に菜箸で[衣パート]を掬って肉の上から滴らせて衣に厚みを付けながら3分揚げれば(途中でひっくり返します)できあがり。
【一口メモ】
- カロリー低めの鶏むね肉を揚げ焼きにしているのでしつこくなくいくらでも食べられそうな気がします。って、カロリーが低い意味がないじゃん。
- 衣に鰹だしの素を加えると風味と甘味がぐんと跳ね上がります。賛否両論ありそうですが味の素を入れるのもありだと僕は思っています。
- もちろん本家の竹輪で作っても美味しく作れますよ。というか、揚げ種を選びませんのでぜひいろいろ試してみてください。オススメは生姜焼き用の豚肉で作る豚天かな。