店の入口が中世ヨーロッパ風異世界につながっている異色のグルメファンタジー「異世界居酒屋のぶ」のエピソードに隣国の密偵(旅の僧侶に変装した男性)がこの土地の経済状況を探るために居酒屋「のぶ」に潜入するエピソードがありました。
彼の持論では日持ちのしない生野菜を使ったサラダを注文すればその街の豊かさがわかるのだとか。
ところが何種類ものサラダがオーダーできることを知っていきなり度肝を抜かれます。
中でもマヨネーズを使ったポテトサラダの実力に驚嘆。
ま、中世の人がマヨネーズを味わったらびっくりしますよね^^;
更に「これを使うと風味が変わって美味しいですよ」
と勧められた黒い粉にドン引き。
「ペッパーだと。旨いに決まっているだろうが。ペッパーと言えば同じ重さの砂金と取引される高価なスパイスだぞ」それを庶民相手の酒場が気軽に供するほどこの街の財力は豊かだというのか──なんて勝手に勘違いしちゃいます。
けれど、「ただ、高価だからじゃない。マヨネーズのサラダにペッパーはよく合う」と本質的なところにも気づくあたりなかなか食通な密偵さんでした。
とまれ、単調な味の料理でも一振りでその姿を一変させる──スパイスには魔法のような力が備わっているんじゃないかと思う時があるのです。
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- 鶏もも肉(胸肉でも可):70g
- 片栗粉:少々
- 大根:3cm
- 人参:1/3本
- ごま油:少々
- 水溶き片栗粉:9g(大匙1)
[スープパート]
- 水:400g(カップ2)
- 鶏ガラスープの素:5g
[スパイスパート]
- クミン:1振り
- ブラックペッパー:1振り
- オールスパイス:1振り
【作り方】
- 根菜を下茹でするお湯(分量外)を沸かします。沸くのを待つ間に大根はかつら剥きにして1cm厚の輪切りにし更にいちょう切りにします。人参も5mmの輪切りにし更にいちょう切りにします。お湯が湧いたら大根、人参を投入し弱火で5分下茹でします。
- 1.をやっている間に鶏肉を食べ易い大きさに切って片栗粉をまぶします。小鍋にごま油を入れて中火にかけます。これに鶏肉を加えて軽く焼き色が付くまで炒めます。 ※片栗粉をまぶしておくことで肉同士がくっつくのを防ぎます。
- 2.に[スープパート]を加えてひと煮立ちさせます。1.の下茹でが済んだらざるに揚げて大根、人参と[スパイスパート]をこれに加えて1分煮ます。
- 3.に水溶き片栗粉を加えてとろみをつければできあがり。
【一口メモ】
- いきなりスパイスの鮮烈な香りに先制パンチを喰らいます。その後、スープの塩気と根菜の優しい甘みにほっこりするという仕掛け。ただ根菜をスープで煮ただけでは単調になりがちな風味がスパイスの効果でわくわくするような料理に変貌を遂げるのは圧巻です。
- このレシピの段取りポイントは根菜の下茹でと並行して鶏肉を炒めてスープを温めておくこと。下茹でが終わってから鶏肉を炒め始めると倍の時間がかかっちゃいます。
- この料理の具材の主役は大根、人参といった根菜。鶏肉はおしるし程度入っていれば十分です。他にもゴボウや蓮根など使うと楽しいですよ。
- 更にカレー粉などを使うと寒い夜にはありがたい体がぽかぽか温まるスープ煮に仕立てることもできます。