最初は「から揚げ」。
その後、「空揚げ」。
そして「唐揚げ」に。
唐揚げという料理に充てる表記はNHKのテレビ放送ではそんな風に変遷したそうです。
ただ日本新聞協会では空揚げで統一していたそうでそれに反して読売新聞では唐揚げ、朝日新聞ではから揚げまたは唐揚げだったとか──
ええと、何が言いたかったかというと戦前から戦後にかけて新聞でもメディアでもそれだけ頻繁にからあげに関する話題が挙がっていたみたいなのです。
唐揚げと呼ばれる料理は江戸時代からあったようですがそれは豆腐を揚げて醤油、酒で煮たものだったとか。
ちなみに戦前の唐揚げは小麦粉または片栗粉をまぶしてあんをかけた中華料理の一種だったようです。
戦後、食糧難の対応策として養鶏が推奨されその鶏肉を使った唐揚げもお店で供されるようになります。
発祥は養鶏場がたくさん作られた九州だったようですね。
戦後の唐揚げはそれまでのものとは一線を画する特徴がひとつありました。
それは──下味をつけること。
ただ粉をまぶして揚げたものに後からタレや餡で味を付ける戦前の唐揚げにはなかった発想です。
下味の定番は醤油に酒。
これにおろし生姜やおろしにんにくを加えると言った工夫がされました。
僕も唐揚げと聞くとこの味付けがすぐに思い浮かびます。
けれどそれとは別に塩をベースにした塩唐揚げというものがあるらしい。
発祥は大分の小さなスーパーで大型スーパーに客を奪われて業績が落ち込んでいた時に考案された起死回生の1品だったとか。
そんな塩唐揚げも今では認知度も高まり市民権を得た感があります。
居酒屋では醤油派か塩派かに分かれて熾烈なバトルが繰り広げられることもあるとかないとか。
かくいう僕は醤油派で……
というかそもそも塩唐揚げというものをあまり食べたことがなかったんですよね。
過日、クリスマス料理で卵黄を使ったら卵白だけが取り残されちゃった。
何に使おうかなとネットを検索していて見つけたのが塩唐揚げだったのです。
この機会に「塩」の経験値を上げるのも良きかもと思いさっそくトライしてみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:25分-
- 鶏もも肉:1枚(250g~300g)
- マヨネーズ:8g(小匙2)
- 片栗粉:27g(大匙3)
- 揚げ油:適宜
[漬け汁パート]
- 卵白:1個分
- おろしにんにく:ひとかけ分
- 塩:3~4g(鶏肉の量が250gの場合3g、300gの場合4gと鶏肉の量に応じて加減します)
- ホワイトペッパー:少々
【作り方】
- 鶏肉を食べやすい大きさに切ってマヨネーズをまぶします。[漬け汁パート]を器に合わせてよく混ぜこれに鶏肉を加えてよく和えて15分漬け込みます。
- 1.の漬け込みが終わる2分前になったら揚げ油を170度に温め始めます。1.の漬け込みが終わったら片栗粉をまぶして揚げ油が温まるまで待機します。
- 揚げ油が温まったら鶏肉を投入します。10秒揚げたらかす揚げで鶏肉を掬って10秒空気に晒すという手順で3分揚げればできあがり。 ※一度にたくさん鶏肉を投入すると揚げ油の温度が急激に下がるので一度に揚げるのは数個までとし何度かに分けて揚げましょう。
【一口メモ】
- サクサクした食感が小気味良い揚げ物です。味付けもシンプルなので醤油に飽きたらぜひお試しあれ。
- オリジナルのレシピではマヨネーズの前に砂糖をまぶす工程があったのですが僕の好みの味ではなかったので(甘い揚げ物は苦手)砂糖抜きに書き換えました。
- レモン果汁を振って塩レモン風味にすると最強の旨さです。九州発祥らしいので柚子胡椒などをちょんと付けて食べても美味しそう。