戦争に一番必要なものは強力な武器や強い兵士……ではなくご飯だったりします。
食料が尽きればいくら武器が充実していても兵隊の練度が高くても戦争は続けられません。
ちょっと考えてみてください。
1万人の兵士が10日戦うということは1日3食として30万食の食事がいるのです。
なんだか気が遠くなる数字ですね。
ヨーロッパやアフリカに遠征することが多かったナポレオンの悩みも食糧問題──兵站をどうやって確保するかということでした。
当時は冷蔵技術もなかったのでたとえ食料を確保できたとしても何日ももたないというのも悩みのタネでした。
彼は広く一般から食料を保存するアイデアを募集しました。
そのコンクールで1等賞を獲ったのが「瓶詰め」だったのです。
高温で煮沸して空気を遮断する瓶詰めは食料の腐敗を抑止する優れた保存法でした。
ただ、重かった^^;
そしてよく割れた^^;
その欠点を改良すべく考案されたのが缶詰でした。
うんと軽いし何より割れる心配がない。
けど、これどうやって開けるんだ?
実は缶切りが考案されたのは缶詰が発明されたずっと後のことです。
それまでは銃で撃って壊す……なんて嘘みたいな乱暴な方法が取られていた模様。
いや、缶切りも一緒に発明しようよ。
戦争をしなくなって数十年経つこの国でも缶詰は愛されていてそのバリエーションもびっくりするくらい豊富です。
そして味が良い。
単品でも十分美味しい缶詰ですがちょっと手を加えるときちんとしたご飯になるんですよ。
たとえばこの料理のように。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- ご飯:1膳分
- イワシの蒲焼き缶:1個
- 卵:1個
- 玉ねぎ:1/4個
- (あれば)三つ葉:数枚
- 刻みネギ:少々
[煮汁パート]
- 蕎麦の本返し(なければめんつゆ):大匙2
- 水:30g(大匙2)
- 味醂:18g(大匙1)
- かつおだしの素:小匙1/2
【作り方】
- 卵はよく溶いておきます。玉ねぎは細切りにします。三つ葉はざく切りにします。
- フライパンに玉ねぎと[煮汁パート]を合わせて中火にかけひと煮立ちさせます。
- 2.にイワシの蒲焼き缶を汁ごと加えます(イワシは重ならないように並べましょう)。そのまま1分煮たら卵、三つ葉を加えて蓋をし、1分煮ます。火を止めて更に1分蒸らします。
- 3.をやっている間にご飯を丼によそいます。3.をその上にかけて刻みネギを散らせばできあがり。
【一口メモ】
- まるで店屋物の丼を注文したみたい。缶詰料理などとあなどれないしっかりした丼料理になりますよ。
- 蒲焼き缶の汁は見事に調整された調味料の宝庫です。捨てるなんてもったいないちゃっかり活用しちゃいましょう。
- もちろん秋刀魚の蒲焼缶でも美味しく作れます。
- 手持ちがあれば粉山椒を振ると風味がアップします。