まだ社会人二年生だった頃、プログラムにパッチ(パッチワークと同じ語源でプログラムのバグ修復用のプログラムです))を当てに大分県に出張したことがあります。
一泊二日の仕事だったのですが、帰りの飛行機の中で先輩から「実は夏に別の仕事があってな」と持ち掛けられおよそ3か月ほど大分に長期出張することになりました。
それを聞きつけた職場の先輩(大酒呑み)が羨ましがること羨ましがること。
大分は豊後牛や地鶏、魚など美味しい物がたんとある土地なんだぞと教わりました。
いや、観光に行くわけではないのですけどね^^;
中でもお薦めなのが『関アジ』という特別なアジなのだとか。
寿司屋に行ったらぜひ頼めと言われました。
但し、品書きは大抵『時価』と書かれていて小皿一杯の刺身が3000円とかするのもざらにあると脅されました。
当時は知識がなく、鯛の種類に石鯛や黒鯛というのがあるようにアジの一種だと思っていたのですが、実際には普通のアジと同じ種類の魚です。
ただ、豊後水道にいるアジは水温や海流の関係で非常に味が良く、海流が速くて網引きなどに適せず一本釣りが主流となるため高価なブランド魚としてこんな名前が付けられたのだそうです。
……、えと、りゅうきゅうの話でしたね。
りゅうきゅうは大分の漁師たちの賄いから生まれた料理で関東のヅケに近いものです。
名前の由来は「琉球の漁師から教わった」とも、ごまを和える調理法を千利休に由来して「利休和え」と呼ぶところから来たとも言われています。
残念ながらこのレシピに添えた写真のアジは関アジではなく静岡産の近海ものですが、はるか昔の大分ライフを思い返しながら美味しく戴きました。
そういえば、大分の夏の仕事は前作業が大幅遅延して半日暇になったのでジャッキー・チェンの「シティーハンター」を観に行ったりしたなぁ。懐かしい。
【材料】(2人分)
-調理時間:5分(漬け込む時間は含めていません)-
- 刺身(アジ、ブリ、サバ、カンパチなど):300g
[漬け汁パート]
- 濃口醤油:36g(大匙2)
- 酒:30g(大匙2)
- 砂糖:3g(小匙1)
- すりごま:大匙1
- 刻み葱:たっぷり目
- 大葉の千切り:3枚分
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 刺身は5mm厚くらいに切ります。
- 器に[漬け汁パート]を合わせて1.を加えます。1時間ほど漬け込めばできあがり。
【一口メモ】
- ヅケに近い料理ではあるのですが、ごまとしそやネギなどの薬味の風味が利いているのが特徴。口の中でその複雑な風味が広がるのが楽しいです。
- 熱々のご飯にたっぷり載せれば大分名物「あつめし(あつめし丼)」になります。豪快にわしわしとかきこんで楽しみましょう。
- 冬場ならお弁当のお菜にすることもできます。その場合は一晩漬け込んでしろいごはんに添えて詰めましょう。食べる時はご飯に載せて混ぜながら戴きます。
- 刺身の代わりにアボカドを使った「アボカドりゅうきゅう」という変化球もありみたいです。