子供の頃、僕はわかめやいりこなどの海産物はお店で買うものではなく両親の田舎から送られてくるものという認識でした。
年に何度かお米の10kg用くらいの袋に詰められた鳴門のわかめや徳島産のいりこが送られてくるを見るにつけ、なんとなく「こんなにいっぱい送ってくれるということは海産物というのは安いものなんだろう」と想像を膨らませていましたっけ。
所帯を持って自分でお店で買うようになって初めてその想像が如何に不遜なものだったかを思い知りました。
鳴門のわかめも徳島のいりこも──めっちゃ高いのです! しかも一般に売られているのはせいぜい2,30グラム単位。
あの米10kg袋サイズのわかめは、いったいいくらくらいしていたのかと思い返すと、背筋がぞくっとしました。
きっと両親や祖父母はその返礼にいろいろ送っていたんだろうなぁと改めて思いました。
同じように魚の干物も両親の郷里から頻繁に送られて来ていたので味醂干しなどが夕飯に出されても特にありがたみを感じなかったのですが今思えば贅沢なものを食べさせてもらっていたんだなとしみじみ思います。
ま、子供にしては舌がちょっと年寄りじみていたのでとても美味しく戴いていたのですが。
いずれにせよそういった海産物は田舎から送ってもらいでもしない限りはお店で買うしかないと長年思い込んでいたのですが過日、焼鳥屋でささみの味醂干しというのを戴いてそれがまた店主のお手製だと聞いてびっくり。
自分で作れば安くお店で出せるようにするという店主の心意気に、ちょっと感動しました。
で、感動ついでに臆面もなく作り方を訊いてしまったという(笑)。
気の良い店主のご厚意に甘えてレシピを教わったのでさっそく実践してみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:2晩-
- 鶏ささみ:1本
[漬け汁パート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 味醂:9g(大匙1/2)
- 酒:7.5g(大匙1/2)
- おろしにんにく:少々
【作り方】
- ささみは筋を取り観音開きにします。これと[漬け汁パート]を合わせて冷蔵庫に入れて一晩漬け込みます。
- ささみを[漬け汁パート]から引き揚げキッチンペーパーで汁気をふき取ります。キッチンペーパーを敷いたざるにささみを載せて冷蔵庫に入れ、一晩乾燥させればできあがり。生では食べられませんので魚焼きのグリルかフライパンで焼いて火を通して戴きましょう。 ※残った[漬け汁パート]は別の料理に使いましょう。
【一口メモ】
- ちょっと濃い目の味付けが日本酒によく合います。おかずにしても良いのですがやはり酒肴向けの1品かと思います。
- 甘めの味付けがお好みの方は[漬け汁パート]に砂糖3g(小匙1)を加えてください。
- 焼いてそのまま食べても良いですが七味唐辛子、粉山椒、柚子胡椒など付けると風味が変わってまた楽しいですよ。
- 風味の要は意外におろしにんにくだったりします。ただ酒の肴を想定した工夫ですのでおかずにする場合は抜いても良いかもしれません。
- 工程2.でキッチンペーパーで水気を拭きとった後に炒り胡麻をまぶしてから乾燥させると胡麻風味の味醂干しにすることもできます。
- この[漬け汁パート]を使っていろいろな味醂干しを作ることができます。鶏肉以外にも豆腐(しっかり水切りすること)、こんにゃく、きのこ、蛸、イカなどいろいろ試してみてください。