もしも金やダイヤモンドが道端にいくらでも転がっているようなものだったら──その価値は一気に下がってしまうでしょう。
金は電気伝導率、熱伝導率ともに非常に高くパソコンやスマホの内部配線に活用されます。
ダイヤモンドは最も硬度が高い鉱石で古くはレコード針に使われていたほかカッターやドリルなどの刃に混ぜ込んで使われることもあります。
金やダイヤモンドが地球上にたくさんあろうがレアであろうがその有用性にはなんら変わりがないのにその価値(=値段)が希少性で決まるというのはなんだか理不尽な気がしますね。
コノシロは寿司ネタでおなじみのコハダが成長した魚で体長が15cmを越えた個体を指す名前です。
漢字で書くと「魚編に冬」。
晩秋から冬にかけてが旬の魚です。
ところがコノシロには別の当て字もあって「飯代魚」と書いてコノシロと読ませることもあるそうな。
うんざりするほど大量に獲れるので飯(=米)の代わりになるんじゃないかと誰かがディスったことから生まれた当て字らしくなんだかかわいそう。
いっぱい獲れて珍しくもなんともない魚なのでコノシロはずっと下魚扱いされてきたのだそうな。
本来であればその魚の(人間にとっての)値打ちは食べてみて美味しいかどうかで決めるべきなのに珍しければ高級でありふれていれば下等だと決めつけるなんて僕ら人間というのはなんとも奇妙な価値観を持つ生き物だよなぁw
過日、よく行く魚屋さんでコノシロが4尾も入って198円で売られておりました。
聞きしに勝る低価格。
おもわず買っちゃいましたよ。
半分は酢〆にして日持ちするように仕立てたのですが他の食べ方も楽しみたくて1尾は塩焼きにそして残る1尾は味噌煮にしてみました。
コノシロは小骨が多く食べる時に障るのも不人気な理由のひとつなのですが圧力鍋を使ってしまえば小骨ごと食べられるくらいに柔らかくなりますのでおススメですよ。
【材料】(1人分)
-調理時間:60分-
- コノシロ:1尾
- じゃがいも:1個
- 生姜:スライス2枚
- 水:400g(カップ2)
[調味料パート]
- 味噌:27g(大匙1.5)
- 味醂:18g(大匙1)
- 酒:10g(小匙2)
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 酢:5g(小匙1)
- 砂糖(できれば白ざらめ):9g(大匙1)
【作り方】
- コノシロはうろこ取りで(なければ包丁の背で)尾から頭に向けて擦ってうろこを落とします。 ※うろこはけっこう飛び散るのでシンクの中で作業するのがおススメです。
- エラ蓋の後ろから包丁を差し込んで前後に刃を動かしながら切り進めて頭を落とします。更に腹の際(きわ)5mmくらいを切り落とし内臓を露出させます。腹に指を突っ込んで内臓を引き出し終わったら流水で体内をきれいに洗います。
- 頭の側から包丁を入れて中骨に沿って包丁を進めて3枚におろします。キッチンペーパーに包んで水分をふき取ります。生姜は千切りにします。
- 圧力鍋にコノシロ、生姜、水、[調味料パート]を合わせて蓋をし強火にかけます。おもりが動き出したらおもりが止まらない程度に火を弱めて20分加圧します。火を止めてそのまま10分置き減圧します。
- 4.をやっている間にじゃがいもは皮を剥き7mm厚の半月切りにします。圧力鍋減圧後にジャガイモを加えて中火にかけ蓋をせずに煮汁を煮詰めつつ7~8分煮込めばできあがり。 ※煮汁が枯れそうになったら少し水を加えて緩めてください。
【一口メモ】
- コノシロは小骨の多い魚なので煮物にすると骨取りばかりに手を取られて食事をしている気がしなくなります。けど圧力鍋で骨を軟らかく煮てしまえば気にせずそのまま食べられてしまいますよ。
- 圧力鍋の手持ちがない場合は煮汁を沸騰させてすぐにバスタオル3枚にくるみ2時間ほど放置してください。タオルに保温されてじっくりコトコト煮込んだ状態を作れます。
- 付け合わせは我が家はじゃがいもと決めていますが大根がオーソドックスかも。ま、手持ちの食材と相談して決めてください。コノシロの旨味を含んだ煮汁をたっぷり吸ってうっとりするほど美味しくなっていますよ。