二十世紀に起きた料理革命の最たるものは?
と聞かれたら……僕はカップ麺と冷蔵冷凍技術と答えると思います。
けど考えてみればカップ麺を飛躍的に進化させたフリーズドライ製法も「冷やして水分を抜いて麺をカリカリにする」という手法ですから、冷蔵冷凍技術の上に成り立っているのです。
ということは生えある一等賞はやはり冷やす技術の発明かな。
冷蔵冷凍技術により食物の保存は飛躍的に発達しました。
それだけでなく鮮度も保つことができるようになったので外洋で獲れた魚を陸に持ち帰って調理してもまるで穫れたてのような美味しさを楽しむことができるようになったのです。
更に前世紀までは上流階級ですらめったに口にすることができなかった冷菓や氷菓を庶民が気軽に楽しむことができるようになりました。
冷たいプリンやゼリー、アイスクリームなどですね。
そういったお菓子がコンビニなどで手軽に買えるということ自体、実はとんでもなく凄いことなのです。
お菓子だけではありません。
スポーツの後に飲む清涼飲料やアイソトニックだって、仕事帰りに飲むキンキンに冷えたビールだってそうです。
冷蔵庫が登場するまではぬるい水やぬるいビールしか飲めなかったということを想像すると軽いめまいさえ覚えます(笑)料理の中にも冷やして食べるだけで夏のごちそうになるものがたくさん生まれました。
この料理も元は揚げたて熱々をつゆに浸けるのが醍醐味でしたががキンキンに冷やすとまた別の美味しさがあると再認識させてくれる1品だと思うのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:6分-
- 厚揚げ:半丁
[つゆパート]
- 水:50g(カップ1/4)
- だしの素(かつお):小匙1/2
- 濃口醤油:12g(小匙2)
- ポン酢:6g(小匙1)
- 味醂:9g(大匙1/2)
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 厚揚げはオーブントースターで5分焼き4等分します。待っている間に[つゆパート]を盛り付ける器に合わせてよく混ぜておきます。
- 盛り付ける器に厚揚げを入れて粗熱を取り、冷蔵庫でよく冷やせばできあがり。お好みで鰹節や刻みネギを散らして戴きましょう。
【一口メモ】
- 暑い夏場には料理が冷たいというだけでも十分ごちそうです。この料理では更に舌を冷やすためおろし生姜とポン酢を使ってみました。
- もちろん豆腐に片栗粉をまぶして揚げて作る普通の揚げ出し豆腐ででも作れる料理です。けど、厚揚げを使うことでぐんと手間が省けます。
- 植物性油で揚げている厚揚げだから成立する料理です。動物性の脂が含まれる料理で似たことをすれば水面にびっしりと白い脂が浮いて食べられたものではなくなるでしょうね。