「定食屋で15分も待たせたら客はみーんな帰っちまうよっ」
お料理バトル漫画、食戟のソーマの初期のエピソードで主人公が言い放つセリフです。

課題終了のタイムリミットまであと15分しか残っていない状況下でライバルに啖呵を切ったセリフなのですがアニメ化された時はずいぶんツッコミコメントを見かけました。
「いやいや定食屋が短時間で料理を提供できるのは開店前にいろいろ仕込みをしているからでそれ込みで言えば調理時間は15分では済まんだろ」
異口同音にそんなツッコミが飛び交ってなかなか面白かったのですがその指摘は少々的外れな気が僕にはしました。

定食屋で出す料理が15分で済まないことは定食屋の息子である主人公が一番わかっていること。
それでも時間がない極限状態の中で自分を鼓舞するために敢えて口に出して言ってみた一種の強がりだったと捉えるべきじゃないかな。
とまれ客に帰られては大変ですから短い時間で料理を提供するというのは定食屋の永遠の命題です。

そのために料理人はいろいろな工夫を凝らしています。
小鉢料理、サラダなどは開店前に仕上げて盛りまで済ませ盆にのせるだけの状態にしておく。
香の物も同様に盛り付けまで済ませて盆にのせるだけの状態にしておく。
揚げ物は揚げ種に衣を付けるところまでは済ませておいて後は揚げるだけにしておく。
ご飯や汁物は炊飯器や鍋からよそうだけにしておく。

こうしてメインのおかずを調理している間に別のスタッフがそれ以外の料理を盆に並べてスタンバイをしておくことで注文から数分で料理が出て来るシステムになっているのです。
それ以外にも定食屋が施している時短の工夫工夫があります。
ランチタイムなど忙しい時間帯に定食屋で調理風景を観察していると料理人が意外なほど包丁を握っていないことに気付くと思います。

料理人は揚げる、焼く、炒めるの工程に集中していて段取りの良い店なら野菜や肉を切る工程は店を開ける前に既に済ませています(あ、刺身定食とかは別ですよw)。
こういった工夫は家で料理をする時にも真似できるものも多くてそうすることで夕飯の支度がぐんとはかどります。
例えば僕は青ネギを買ってきたら全部小口切りにしてしまって大きなタッパに入れて冷凍しちゃいます。
こうしておけば刻み葱がほしくなったときにタッパからひとつまみパッと放り込むだけで済んじゃうのでめっちゃ楽ちん。

この技は馴染みの焼鳥屋のご主人に教わりました。
餃子などもまとめて包んだら冷凍。
あとは食べたい時にそのまま焼くなり蒸すなりすればOK。
手作りの冷凍食品ですね。

まとめて切って(まとめて作って)必要な時に必要なだけそこからシェアするというのはプロに限らず一般家庭でも活用できる料理の段取りを格段に良くするテクニックのひとつです。
このテクは冷凍などして複数回の食事でシェアできる便利なものですが1回の夕飯の中でも活用できます。
たとばこの料理の中で使う玉ねぎやにんにくなどはわりと汎用性が高いので献立の他の料理でも使うかもしれません。

ならば──複数の料理で共通して使う食材があれば切る作業はまとめてやってしまうべし。
それだけで料理の段取りはぐんと上がります。
夕飯の支度にかかる前には今日の献立で使う食材で被っているものがないかまずチェックしてみましょう。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- 豚ローススライス:100g
- 椎茸:1本
- 玉ねぎ:1/4個
- にんにく:ひとかけ
- ごま油:4g(小匙1)
- 刻み葱:適宜
- [調味料パート]
- バター:5g
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 塩、ブラックペッパー:少々
【作り方】
- 豚肉は食べやすい大きさに切ります。椎茸は石突を落として傘、軸ともに5mm幅にスライスします。玉ねぎは細切りにします。にんにくはみじん切りにします。
- フライパンにごま油とにんにくを入れ弱火にかけます。香りが立ってきたら豚肉を加えて中火にし、色が変わるまで炒めます。さらに椎茸、玉ねぎを加えて玉ねぎがしんなりし始めるまで炒めます。
- 2.[調味料パート]を加えてバターを融かしながら絡めて水気がほぼなくなるまで炒めます。これを皿に盛り刻み葱を散らせばできあがり。
【一口メモ】
- ガッツリ系のおかずが食べたい! そんな衝動にかられた時におススメの1品です。ほんの10分ほどでパパっと作れてしまうので知っておいて損はないですよ。
- 「使う食材はお肉と野菜」という大ぐくりで捉えてもらえば豚肉や椎茸に拘る必要はありません。食材によって風味や持ち味に特徴がありますのでお好みで好きな食材を使ってください。
- お好みでカレー粉を振るとスパイシーな皿に変貌してまた楽しいですよ。

