マーク・トウェインの名作児童文学「王子と乞食」は同じ年の同じ日に生まれた王子と貧しい少年が入れ替わるお話です
服装を交換しただけで周囲の人たちは誰も気づかず乞食の少年を王子として丁重に扱い、王子は乞食の親方にどやされる──なんとも皮肉なお話でした。
16世紀のイングランドを舞台にしたこの物語は当時の世相を痛烈に皮肉ったちょっと辛口の物語だったりもするのです。
一休さんの逸話にもこんな話がありましたね。
法事に呼ばれている檀家に約束の前日、ボロボロの袈裟を着て物乞いのフリをして行ったら叩き出されてしまった一休さん。
翌日、立派な袈裟を着ていくと大歓待。
すると彼は
「どうやらこの家の人は僧侶ではなく袈裟をありがたがっているようだ」
と言って仏壇の前に袈裟を脱いで置くと
「ならば袈裟に経文を上げてもらえばよろしい」
と言って屋敷を出ていってしまったとか。
僕はこの話を小学生の頃に読んだ記憶がありますが、
「いや、それは皮肉が利いているとかじゃなくて単なる傍迷惑で偏屈坊主じゃん」
と子供ながらに思いましたっけ^^;
これと同じように料理の世界でも中身は何も変わらないのに見た目の印象はガラリと変わるものがあります。
たとえば、この料理みたいに。
【材料】(2人分)
-調理時間:15分-
- トンカツ用豚肉:1枚
- 玉ねぎ:半個
- ピーマン:1個
- サラダ油:少々
- 塩、ブラックペッパー:少々
- 砂糖:6g(小匙2)
[下味パート]
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 酒:15g(大匙1)
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 豚肉を1.5cm角のさいの目切りにして[下味パート]と一緒にビニール袋に入れて10分漬け込みます。
- 1.をやっている間に玉ねぎ、ピーマンを細切りにします。フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ玉ねぎを加えて玉ねぎがしんなりするまで炒めます。これにピーマンを加えてさっと炒め塩、ブラックペッパーで味付けしてお皿に取ります。
- 1.をザルに揚げて水気を切ります(ざるの下にお皿を敷いて[下味パート]の調味料を取っておきましょう)。
- 2.のフライパンにサラダ油少々を追い足して中火にかけて全面焼き色が付くまで焼きます。これに砂糖と[下味パート]の調味料を加えて水気がなくなるまでできあがり。玉ねぎ、ピーマンを添えたお皿に盛り付けて頂きます。
【一口メモ】
- 生姜焼き風というか、まんま生姜焼きです。普通、豚の生姜焼きはロース肉のスライスで作りますがそれをロースカツ用のお肉で作っただけどいう。けど、食感が変わってステーキっぽいごちそうを食べている気分になるから不思議。
- 野菜をプラスすることでボリュームアップしてあるのでトンカツ用のお肉1枚で2人分のおかずができちゃいますよ。なんかお得。
- 酒を赤ワインに変えると風味がリッチになってごちそう感がアップします。